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汚い

「ごめんなさい、僕なんかが生きていて。 こんな、汚い僕なんか、生きている意味などないのに」 ぽつん、と1人呟いた。 唐突に、近くにあったイヤホンコードで自らの首を締めた。 手加減などせずに、全力で。 紐の太さが関係あるのだろうか。 どこかで見た小説や映画のように、意識がなくなったり暗くなり始めたりなどしなかった。 ただ、苦しい。 全然死ねなくて、やめた。 やめても、ずっと苦しいのが続いていて。 ・・・ああ、もう。 死ねないじゃないか。 顔を取り敢えず洗おうと洗面所に来たはいいが少し驚いた。 首に、細い跡がある。 それも、青紫色になっていて。 こんな僕に、そんな力があったなんて、本当びっくり。 まあ、こんな細い痣なら分からないだろうしいいか。 なんだか、今日はだるい。 朝イチからあんなことしてたからもあるのだけれど。 夜ご飯も食べていないけど、朝ご飯も食べれそうにない。 今日は学校に早く行って図書室にでも行こうか。 それで、小説を読もう。 気を、落ち着かせないと。 「ふわぁ・・・、ん」 あまり寝られていないからだろうか、あくびが出た。 少し早い時間に図書室に来たせいか、中には司書さんただ1人だけで誰もいなかった。 キーンコーンカーンコーン・・・ あ、朝部活が終わったチャイムか。 そろそろ教室に行かないと。 ・・・ああ、そういえば結局弓月くんと皐太くんはバスケ部に入ることになった。 僕は、入りたかったけど、中学の頃のあの体験が頭に浮かんだ。 あんな見離された態度、先輩にとられたら僕もうダメだ。 だから、補欠要員として入部をすることにした。 今回、僕は特別扱い。 本当、迷惑かけてる。

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