82 / 105
祭り当日
「おはよ悠眞」
「はよ~」
「おはよう、皐太くん、弓月くん。
泰清くんは・・・いつものことだけど伶威くんは?」
「ああ、あいつ弓道部で学年リーダーになったから遅くなんの」
「そうなんだ」
「てか遂に今日だな~、祭り」
「あ、そっか。・・・今日、なんだね」
「悠眞の分の浴衣、頼んどいたから」
「え!?」
皐太くんいつの間に・・・。
「絶対悠眞に似合うし大丈夫」
「皐太お前勝手に・・・」
「いいじゃん。だって悠眞着なさそうだし」
「まあ、確かに着ないかも・・・。
あ!お金払わなきゃ!!いくらだった?」
「え?そんなの別にいいって。
俺と一緒に祭り行ってくれることのお礼」
「・・・お祭り行くことくらい、僕いつでも行くけど」
「ならこれから色んなとこ行こ」
「うん、いいよ」
「じゃあ、どこから行こう」
お祭りなんて、久しぶりだから少しウキウキしながら授業を受けていたら思ったより早く終わっていた。
すぐに自室に行き、浴衣を着た。
昔、母さんに教えてもらってよかった。
皐太くんの部屋に行った時、皐太くんはいつも誰かにさせていたのか着付けが出来ていなかったので僕がやってあげた。
うん、上手くできたと思う。
「屋台、・・・思ったよりいっぱいあるしなんか凄いな」
「学校が業者を呼んでるんだっけ?
叔父様、すごい」
「ちゃんと休憩用のベンチもたくさん設置されてるしいいな~」
基本この学園は精算は全てカード。
大体が親の口座から引き落としだ。
だが、この祭りの時だけはカード払い禁止で支払いは現金のみとなる。
それは、政信が現金の取り扱い、お金の重要さを教える為に考えたことだ。
それでも湯水のようにお金を使うのは変わりない。
だが、一つ一つの屋台は庶民的で値段も良心的なのでいつも彼らが使う額と比べると全然使ってないようにも思える。
「僕、焼き鳥食べたいなぁ・・・」
「あ、それ1回だけ食べたことある。
ならそれ買いに行こ」
1回だけ、・・・なんだ。
流石お坊ちゃま?
「うん」
まあ、僕は普段からあまり使わないからこうしていっぱい買ったりするのは少し久しぶり。
ともだちにシェアしよう!