86 / 105

りんご飴

数本先輩が食べたところで、口を開いた。 「悠眞、何か食べたいものはあるか?」 「あ・・・そうですね、りんご飴とか好きです」 「なら行こう」 「え!?」 「・・・・・先輩、警備いいんですか」 「そろそろ見回りの時間だ。それにルートも予め決まっているわけじゃないからな。 大丈夫だ」 皐太くん、ふてくされてます。 そんなに先輩のこと嫌いなのかな? あ、僕がなにか余計なことしちゃったとか、、、? うそ、それだったらどうしよう。 ・・・取り敢えず、謝った方がいいのかな。 「えっと、皐太くん・・・僕がなんかしてたならごめんね」 「え?」 「なんか、怒ってるように見えるから・・」 「あー・・・・、いや、大丈夫」 「そう?」 「おう」 なにか、我慢してる。 やっぱり僕のせいかな。 「悠眞、りんご飴なら俺が買ってあげるから」 「え?」 「さっき焼き鳥買ってくれたお礼。いいじゃん、それくらい。 "2人"で行こ?」 「あ・・・え、でも」 「悠眞。それなら俺と"2人"で買いに行くか? 早水はそこで待っていたらどうだ」 「は?何言ってるんですか先輩。 俺と悠眞は元から"2人"でいたんですけど?」 「もう!3人で一緒に行けばいいじゃないですか!!」 あまりの気迫に聖人も皐太も悠眞に圧された。 結局、3人で行くことになったのだが。 「悠眞、わたがし買ってあげるよ」 「いや、チョコバナナなんてどうだ?」 「ちょっ、先輩狙ってるんですか? 悠眞になんてもの・・・!」 「・・・早水、お前こそなんてことを考えているんだ? ああ、悠眞にさせたかったのか、嫌われるぞ?」 「っ~!!!!」 もう、この人たち何言ってるのか理解出来ない。 「悠眞、来い。買ってやるから」 「あ、・・・ありがとうございます」 200円をオジサンに手渡しチョコバナナを1本、貰い受ける。 その時。 「早水、向こうに上条がいるぞ」 「弓月?どこですか?」 僕の耳元で、先輩は「行くぞ」と囁いた。 そして、走り出した。 皐太くんから、逃げるように。

ともだちにシェアしよう!