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当日

いつの間にか、お出かけ(海デート)当日。 楽しみで、眠れなかったなんて言えない。 だって、子供みたいじゃないか。 「悠眞」 「聖人先輩、今日はよろしくお願いしますっ。 えっと、この方は執事さん?」 「ああ、そうだ」 「執事さんがいたらどうぞ、と母から渡されたクッキーです。 沢山あるので皆さんで食べてください」 「・・・神風様御一家はお優しいのですね。 ありがとうございます、ありがたく受け取っておきます」 「話は車内でいい、行くぞ」 「うん」 「母さんに水着買ってもらったんです。 楽しみで楽しみで。・・・誘ってくれてありがとうございます」 「俺がお前と行きたかったんだ。 後、また敬語に戻っているぞ」 「え?あ、ごめんなさい・・」 「まあいいが・・・・そのうち慣れるだろ」 「はい」 にこ、と悠眞は微笑んだ。 つくづく、聖人は悠眞を甘やかしている。 それは、悠眞が甘えないから、でもあるが。 「わぁ、・・綺麗」 「・・・そうだな。澄んでるな」 「はい・・・・・、本当、綺麗。 早く、泳ぎたい」 「ああ」 そう言うと先輩が手を繋いできた。 そして、海に向かって走り出した。 「せーんぱいっ」 パシャッ 「なんだ?・・・っな」 海に入り、先輩に水をかけた。 ふふ、楽しい。 「・・・・・・やったな?」 「はい、やりましたよ?」 バシャッ 「ぷはっ」 ねぇ、今の、音が違った!! 僕のはパシャッだったのに先輩の水掛けはバシャッだよ!? 音の通り大量の水が僕の顔と身体に・・・。 「・・・先輩大人気ない!」 「先に仕掛けてきたのは悠眞だろう」 せ、正論・・。 「きゃ、・・・っ」 「やられっぱなしだぞ?」 「手加減してくださいっ」 「嫌だな」 先輩が絶え間なくバシャバシャと僕に水をかけてくる。 もう、ビショビショ。 僕なんて逃げ回ってるもん。 適わないね、先輩には。 どうやったら止まってくれるだろう。 ・・・あ。あれしたら、びっくりして止まるかな? よし、やってみるしか。 「せーんぱーいっっ」 ギュ~ッ 「は、悠眞?」 「ふふ、やっと止まった」 ・・・止まってくれたのは嬉しいけれど。 でも、自分からやっておいてなんだけど、恥ずかしい。 赤く染まった顔を見せたくなくて、先輩の胸に頭をくっつけた。 ぐりぐり、と。 「・・・・可愛い」 「僕、男です」 「悠眞、顔を上げてくれ。いいコトしてやる」 「いいコト?」 恐る恐る、といったように聖人の顔を見た。 すると、顔が近づいてきて。 チュッ 唇が触れるだけの、キスを、された。

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