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マッサージ

「ふぅ、んっ・・・ぁ・・・・・んんっ、き、もち・・ぃ」 「それは良かった、が・・・」 「なんていう声を出しているんだ」 「え?・・・マッサージ受けて気持ちいね、って声?」 普通に、気持ちよかったから声出しちゃったんだけど・・・。 気持ち悪かったかな? 「はぁ・・・」 「あ、僕もちょっとだけですけどマッサージ出来るんです。 ・・・と言っても肩もみなんだけど」 「・・・・・・やってくれるか?」 「はい、勿論」 マッサージをしていた方に下がってもらい、先輩の近くに寄った。 肩に手を置き、親指に力を込めた。 「ん、・・・ど、ですか?」 「ああ、いい感じだ。丁度いい」 ふふ、そう言ってもらえると嬉しい。 小さい時から両親や政信叔父様にやってきて褒められてきたから。 ・・・それがお世辞だったらどうしようと思ったけど、物は試しだね。 「先輩の、肩、かたい・・・。 僕の指折れちゃう・・っ」 「仕事が大変なんだ。・・・・・それよりも悠眞の指が折れてしまうのはあまり良くないな。 仕事の量を減らそうか」 「え?そ、れはいいこと、なのかな? ・・・だめなこと?あれ?」 「はは、本当に悠眞といると楽しいな」 楽しい?それならいいや。 先輩が楽しかったら、それでいい。 なんだか、僕の存在意義を見出した感じ。 ふふ、嬉しい。 「僕も、先輩といると楽しいです」 ふわり、と微笑んだ。 だって、楽しいじゃない。 楽しければ、人は無意識にでも、笑える。 こんな僕だって、先輩のお陰で笑えてる。 「悠眞、俺もマッサージをしてやろう」 「・・・いいの?」 「ああ、全身マッサージだから横になってくれ。 ついでに、そのオイルも取ってくれないか」 「んしょ、と。はい、どうぞ。 そういえば、このオイルいい匂いですよね」 悠眞は横になり、聖人はオイルを手に取り上半身裸の悠眞の背中に塗りたくった。 「そうだな、・・・この匂い、好きか? この匂いと同じアロマキャンドルが家にあるんだが」 「はい、好きですっ」 「なら帰ったら俺の家に行こう。プレゼントだな」 「ふふ、ありがとうございます」 悠眞が笑い、リラックスしたのを確認してから少しづつ指先に力を込めていく。 気持ち良いのか、艶めかしい声を出していた。 「ん、んぅ~っ」 「・・・気持ち良いか?」 「っん、はい・・・・・・すごい、気持ちぃ」 「なら良かった。・・・下のタオルを取るぞ」 「ふぁ、はい・・・ん」 「眠かったら寝ていろ」 「ふぁあ・・・はぁい。ありがと、ございます」 先輩のマッサージ、本当に気持ち良くていい。 ずーっと受けていたい気分。 でも受け続けてるうちに眠くなってきちゃった。 先輩も寝ていいよって言ってくれたしいいか。 「っ・・・・破壊力が、な」

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