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授業の始まり

「1時間目から体育かぁ・・・」 「体育嫌い?」 皐太くんは僕と違って何でもできそう。 羨ましいなぁ。 「んーまあね。体育基本的できないから。 バスケしか出来ないんだよね・・・」 「何でバスケ?中学の頃部活でもやってた?」 部活ね・・・。 部活はコーチが嫌いで数ヶ月で辞めたなぁ。 懐かしい。 「実は小2からミニバスのチームに入っててね。 中学の部活は入って数ヶ月で辞めたんだけどクラブに入ってるの。 だから少し下手になっちゃったけどある程度はできるよ」 「小2からとかすご。ここでもなんか部活やる?」 「・・・どうしよう、迷ってる。 まずどんな部活があるか分かんないんだよね」 「なら一緒に色んな部活の見学行ってみる?」 「いいの?ありがとうっ。 あ、そろそろ外行かなきゃ。授業始まっちゃうよ?」 「何だっけ、内容」 「えっとね・・・、体力テスト」 「おっしゃ、頑張ろ」 「うん」 「握力・・・」 「ま、がんば」 ・・・見放されたよ、皐太くんに。 がーん。 とは言え体力テスト。 やっぱり無理だ。体力テストは嫌い。 いや、体育自体嫌い。 中学の頃体育の授業でマット運動をやった。 その時倒立前転を失敗し首負傷。 ・・・・・・どう動いても痛い。いや、その前に痛すぎて動けなかった。 2度とやるもんかと誓った程に。 力さほど無いし。全然男らしくない。 よし、これはさっさと終わらせるに限る。 無心で。うん。 ・・・できる気がしないけど。 そんなこんなで無心を貫き真顔でやり通した。 真顔の状態を見て周りが心配していたのは知る由もない悠眞。 誰もが声をかけられないでいた。 が。 ただ1人例外がいた。 「悠眞お前怖いぞ」 「へ?」 「うわ、今めっちゃ可愛い」 「はあ?」 チョットイミフメイ、、、。 時々皐太くんは不思議な発言をする。 僕を女の子と間違えてるんじゃないか、と思うくらい。 「いやまあそれは置いといて。 なんで真顔で?めっちゃ怖いぞ」 「無心でとにかくやってたら真顔になってたというか・・・。 ていうか言われて気づいた。 だから皆僕の方チラチラ見てたのかな?」 「お前な、自分の魅力気づいた方がいいぞ? まあ真顔だったってのもあるけどな・・・」 魅力? やっぱり皐太くんは変なことを言う。 僕に魅力なんて、無いのに。 「悠眞さ、たまに暗い顔するよな。 どうした?何かあった?」 「ううん・・・大丈夫。ごめんね?」

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