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一時の別れ

「じゃあまたね、悠眞。 今度は話聞かせてちょうだいね?」 「うん」 ・・・ごめん、お母さん。 謝ることが口にできなくて。言葉にできなくて、ごめん。 ても、僕からは何も言えない。 怖い。思っていることとは違う言葉を言ってしまいそうで。 はぁ。 ・・・今、何時だろう。 寮の教育相談室、だっけ。 急がなきゃ。 「・・・失礼します」 「おう、来たか」 できるだけそっと、静かに開けたら目の前に。 ・・・何気にびっくりした。 そんなに、遅かったかな。 でも時間ぴったりだからいいはずなんだけどなぁ。 まあ、5分前行動が出来てないから僕が悪いか。 「遅くなってすみませんでした」 「いや、いい。 それで早速なんだが・・・」 「僕の病気、についてですか?」 案の定。 「・・・・・・ああ。 まずお前から聞きたい。ある程度は聞いてるんだが本人から聞かんとな・・・。 で、だな。てんかんの発作が起きた時の対処を教えてくれ」 やっぱり、予想通り。 「はい、まず眩暈と立ちくらみは自分で対処するので大丈夫なんですけど意識消失になるとちょっと・・・。 なのでもし倒れた場合は適当な理由・・・そうですね、睡眠不足とかそんな感じの適当な理由をつけて保健室に運んで下さると嬉しいです」 「眩暈とかはパターンが決まってるのか? 例えば何かやった後に、とか」 「いえ、僕の場合はほんとにふとした時にふらっ、てきちゃって・・・」 「ん、りょーかい。 社交不安の対処・・・まあ学校側としては別室も用意してるから嫌になったりしたらそこで休んでてもいいぞ。 そん時も適当な理由付けといた方がいいか?」 「・・・できれば、お願いします」 面倒だと、思われてないかなぁ。 やだな、、、 「つーかお前としてはクラスメイトとか他の奴らに言いたくない、知られたくない、って思ってんのか? 思ってんならどうしてだ?」 「・・・知られたくない、ですかね。 僕は、"普通"になりたいんです」 「普通?」 「はい、普通です」 奈宮先生は少し考え込んだ後、口を開いた。 その目線はしっかりと僕を捉えていて。 正直、怖い。けど、そんなことは言ってられない。

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