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時は放課後。
時は早々放課後。
みんなでカラオケ、それは久しぶりで。
「んじゃ早速何歌う?
あ、最初に悠眞歌ってよ」
「いやいや皐太くんが先に・・・」
「んならゆずが先に歌えばいいんじゃね?」
「何で俺なんだよ・・・まあいいけど」
「いいんかい」
「んー、やっぱ定番のEX○LE系でしょ」
「うわ、イッケメーン」
「うるせ」
EX○LE系歌えないと言うか歌わないと言うか。
声が男なのに高いから女性アーティストの方の歌系しか歌えない。
まあキーを下げれば歌えるけど歌おうと言う気が起きない・・・。
でも男性アーティストのも歌うよ。
割合で言えばやっぱり女性の方が多いわけで。
「~♪」
「ゆず歌も上手いとか。
イケメンずるい!」
「弓月くん上手いんだね・・・」
イケメンで歌も上手い。
やっぱ僕とは大違い。
「あ、91点!やっぱすご!」
「おっしゃ。まあこれくらいか。
次悠眞な」
「・・・分かった、じゃあ久しぶりにこの曲かなぁ」
そう言って入れたのは男性歌手さんの『Hallucination』
何故だか、時々心とリンクするこの歌。
「欺くには...遅すぎて
囁くには...愚かすぎて
その思いを月に写し
夜を渡る」
「うっま!!」
「やっぱあの日と同じ透き通る声・・・」
「人はみんな絶望の...
カゴの中で...暮らす小鳥
誰かが鍵...壊さないと
飛べない」
そう、まるでカゴの中の鳥とは僕の様。
だから感情を込めて歌ってしまう。
―――涙が一筋、零れ落ちた。
「やべぇ、感動した」
「てか悠眞何泣いてんの」
「え?あ、また・・・」
大体感情を込めて歌ってしまうから涙が出る。
でも、自分では気づかないことが多い。
可笑しい、よね。
「ま、俺らも泣きそうなくらい感動したから気にしないけどさ」
「ま、俺には勝てねぇけど・・・・・・って98!?
嘘だろ、は?え、ちょ・・・嘘ぉ・・・」
「慌てすぎだって。
ゆずでも勝てなかったね~」
「7点差だな。
悠眞はほぼ完璧だ」
「・・・ふふっ。みんなおかしい」
うん、おかしいよ。やっぱり。
だってさ
「"気持ち悪い"って、言わないんだね、僕のこと」
やっぱり、あの頃とは違う。
みんな、心の綺麗な人。優しくて、思いやりのある人。
「なーに言ってんだよ、悠眞。
俺とお前はもう友達だろ?
そんなこと思うはずない」
そう自慢げな顔で言う皐太くん。
友達って、思っててくれる時点で嬉しい。
「俺らもうさ、友達だろ?」
爽やかで、ぴっかぴかな笑顔で言ってくれた弓月くん。
「そんなこと思うはずない。
マイナス思考になりすぎだ、悠眞」
キリッ、と少し叱ってくれた伶威くん。
「ゆずとレイの言う通りだって。
まずさ、悠眞と友達の子なんか悠眞のこと気持ち悪いって言うはずない!」
明るく、僕を元気づけてくれた拓都くん。
「そうそう!
俺と友達ならマイナス思考やめてプラス思考になろ?な?
俺らが思うはずないんだし!!」
僕の気持ちを切り替えさせてくれた泰晴くん。
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