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彼らのカンケイ。

「な、なぁ・・・理事長とお前の関係ってなんなの?」 「・・・・・・そうだよね、気になるよね」 「聞いちゃだめだった、とか?」 皐太が罰の悪そうな顔で悠眞の顔をのぞきこむ。 悠眞は苦笑いしつつも答えた。 「だめなわけじゃないけど怖いんだ。 そのことを知った皐太くん達に一線引かれるのが」 「おーい、悠眞さんや。 俺達がんなことすると思ってんのか?」 「・・・・・・うん、そうだね。 ごめん。それで関係についてだったよね? 僕と叔父様・・・じゃないや、理事長さんとは知り合い、なのかな。 うまく説明出来ないけど本当の家族みたいな関係だよ」 「孫みたいな存在的な?」 「んー・・・まあ、そうなのかなぁ?」 「すげぇな、お前んとこ。 なら悠眞って相当な資産家?」 「まずこの学校にいる時点で悠眞は金持ちだ」 「レイそこつっこむの・・・」 「・・・どうなんだろう、分かんない」 本当に僕は、何も知らない。 ある程度家では不自由なく暮らせてきたけれど。 親がどんな仕事をしているのかさえ分からない。・・・いや、知らない。 政信叔父様のことも、此処に来る時に叔父様が理事長だってことを聞いて。 ・・・僕って、本当に、何にも知らないで生きてきたんだ。 「あ、部屋に着いた。 みんなまた明日ね?じゃあ」 彼らと別れぱたん、と扉を閉める。 ―――僕は悪い子。 色々な人に迷惑ばかりかけて、心配させて、傷付けて。 自立と自律。 できたらいいのに。

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