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兎にも角にも。
「それってどういう・・・」
目を細め明らかに機嫌を悪くした様な空気を出す皐太。
人一倍空気に敏感な悠眞にはすぐ、皐太の機嫌が悪くなったのを感じ取っていた。
その空気は悠眞にとって心地よいものでも、喜ばしいことでもなく、苦手なものだった。
無言の状態が続き耐えられなくなった。
その空気は、耐えられない。
その状態に対しての"恐怖"。それが頭を埋め尽くす。
頭が真っ白になって、だけど怖いのが頭を占めて。
なんとか、この空気を取り払わなければと咄嗟に2人に声をかけた。
「あっ、の!!
もう行きません、か・・・?
先輩、部活抜け出してきたんですよね?
そんなに長く抜け出したらほかの人がいい顔しませんよ!
それに皐太くんも、バスケ早くやりたいんだよね!?」
「え、あ、おう。・・・分かった」
「・・・そう言えば前苦手だって言ってたな。
すまん、気づいてやれなくて」
前・・・?ああ、あの時の・・・・・・。
政信叔父様と先輩とで話した時に叔父様言ってたなぁ。
「大丈夫です。それより、行きましょう?」
「分かった」
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