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朝ご飯

ああああああああ!!と、とにかく朝ご飯っ! 頭に浮かんだ聖人の顔を振り払いながら急いで、でも倒れないようにゆっくりと立ち上がる。 朝、そんなに食べられないからスクランブルエッグだけ。 味付けは塩、瑚椒。 「ん・・・おいし」 1人だけの朝食。・・・寂しい。 だからと言って食堂には行きたくない。 嫌いな人に会いたくないし。 あ、嫌な人って言うのは沢樹先輩とか凪沢くんとか瀬野先輩だよ。 なんか、見てて不快な程。できれば関わりたくないよね。 食堂で関わりそうだし、嫌だなぁ、なんて。 あ、時間・・・。 そろそろ着替えて出ないと。 気付いたらもうこんな時間になってたし。 ぼーっ、とすることが多くなってきた。 ・・・―――ピーンポーン 「ん?誰だろ・・・・・・。はぁーい!」 ガチャ、 「おはよ、悠眞・・・っておい。 髪の毛跳ねてる。しかもまだ着替えてないのな」 そこにいたのは、皐太。 もう髪のセットも決まっており、制服もしっかり着こなしている。 未だ、悠眞はやっていないのだが。 「あ、なんだ・・・皐太くんかぁ。おはよう。 どうしたの?」 「どうしたの?じゃねーよ。迎えに来たんだって」 「へ?・・・誰を?」 「・・・・・・悠眞に決ってんじゃん」 「あ、うん・・・ちょっと待ってて!! それとも、入る?」 「ん、お邪魔しまーす」 バタバタ・・・いや、パタパタ?と急いで制服を着る。 髪の毛も急いでとかす。 同時進行で歯磨きも。 「待たせちゃってごめん!行こ!?」 「全然大丈夫。これから俺が迎えに来るから」 「・・・分かった。寝坊したら起こしてくれるから安心だね」フフッ 照れくさそうに悠眞は笑う。 その笑顔にまた、皐太は心を奪われるとも知らず。 悠眞は微笑み続ける。

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