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嫌われたくない。

「・・・・・・僕は政信叔父様と居れればいいです」 「楽しくないだろう?つまらなくはないかい?」 「政信叔父様の話はいつもいつも面白くて楽しいですから。 ・・・お仕事、忙しくはないんですか?」 「うん、そうだね。さほど忙しくはないよ」 「そうなんですか・・・・あの、聞きたいことがあるんです」 「聞きたいこと?なんだい?」 そう、聞きたいこと。 あの子との関係。違うと思ってるけど。 「凪沢清くん・・・知っていますか?」 「・・・・会ったのか。あまり、悠眞はあのタイプが好きではないだろうね」 やっぱり、知り合い・・・というか親族、なのかな。 苗字が同じなんだし。 「ということは、お孫さん?」 「いや、孫ではないよ。遠い親戚なんだけど高校行くところがないらしくて押し付け気味にね・・。 私も良い気ではないんだよ」 「そうなんですか・・・」 「それがどうかしたのかい?」 「いえ、ただ気になって」 ・・・叔父様は忙しくないって言ってたけどあんまり長居しちゃ迷惑だろうしそろそろ。 「叔父様、僕、そろそろ行きますね」 「もう行くのか?」 「僕は大丈夫ですから、安心してください。 叔父様のおかげて、少し落ち着けましたから」 「そうかい、ならいいんだが・・・」 「はい、失礼しました、叔父様」 「これだけは覚えていてくれ、悠眞。 私は、悠眞のことを大切に思っている。 自分を傷つけず、責めないでくれ。いいね?」 「はい・・・叔父様」 叔父様は優しい。 僕なんかのために、いつもこんな言葉をかけてくれる。 叔父様だけは、いつもいつも、昔から味方だった。 勿論、父さんや母さんもそうだったけど。 一番に理解してくれていたのは叔父様。 なにがあっても、叔父様だけには嫌われたくない。 それから、叔父様の部屋を出てSクラスへ行く。 それにしても、本当に、僕は色々な人に迷惑をかけてばかり。 愛想、尽かされそうで嫌だ。 少しは、頼らずに、生きていかないといけないのに。 「お、悠眞。おかえり」 「あ、皐太くん・・・ありがとう」 「いーえ。今日さ、いつもの奴らとパーティーするんだけど来ない?」 「パーティー?」 「そう、自分で作ったご飯を持ち寄って。 要は食事会」 「・・・うん、行く」 「服は私服でいいから。食事は和、洋、中、どれでも大丈夫だから」 「分かった、じゃあ後で」

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