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持ち寄りパーティー。

「こんな感じかな・・・」 取り敢えず、3品。みんなどれ程食べるか分かんなかったから。 マダイカルパッチョとビーフストロガノフ、アクアパッツァ。 多分、デザートも食べるかもしれないから簡単なものも。 それはりんごのコンポート。 全部合わせて1時間半で出来た僕、流石かな。 そろそろ、約束した時間になる。 えっと、・・・皐太くんの部屋で、だっけ。 行かないと。 ガチャ、と扉を開けて皐太くんの部屋へ行こうとしたのだけれど。 丁度通りかかったのかそこには長谷川先輩が。 「あ」 「先輩?・・・こんばんは、お疲れ様です」 「・・・・・・どこに行くだ?」 「あ、はい。これから皐太くんのところに行くんです。 みんなで各自食事を持ち寄ってパーティーするらしくて」 「そうなのか・・・俺も腹が空いてきたな」 なんか、ちょっと・・・ 「一緒に、来ます?」 「いいのか?」 だって、すごい来たそうで、食べたそうだったから。 うん、しょうがない。 「皐太くん達に聞かないと分からないですけど・・・多分、大丈夫だと思います」 「ありがとな、悠眞」 「はい」フフッ なんか、意外な一面。 子供っぽくてかわいい。 先輩に対して失礼だけど、でも本当に、かわいい。 ピーンポーン、、、ガチャ、 「あ、悠眞やっと来た~・・・・・・って長谷川先輩!? ・・・何でいるんですか?」 「こ、皐太くん・・・僕が誘ったんだ。 だめ、だったかな?」 こてん、と首を傾け皐太に問いかける。 そんな仕草にやられ皐太は「大丈夫」と返事を返す。 「あ、先輩はりんごのコンポート大丈夫ですか?」 「ん?ああ、大丈夫だ。それにしても、悠眞は料理が得意なのか?」 「得意・・・な方だと思います。 料理、口に合わなかったらごめんなさい」 「いや、大丈夫だ。基本的に俺はなんでも食べられるし、悠眞の作ったものだろう? 美味しいだろうな」 「先輩、おだてても何も出ませんよ?フフフ」 玄関先ですっかり二人の世界に行ってしまった。 皐太は立ち尽くしていた。 この、聖人に勝てるのか、と。 学年差があっても、今のところは聖人が圧倒的に勝っている。 二人の様子を見て、再度決意を固めた。 もう一度、告白をしよう、と。

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