美味しい･･･ ｢みんなの料理、すごい美味しい！｣ ｢いやいや、悠眞の方が凄い美味しいから｣ ｢へへ、ありがとう｣ お世辞でも、褒められるのは嬉しい。 一応、料理が得意な方だし、上手じゃなかったら、ね。 あ、そう言えば前から思ってたのだけれど。 ｢ここって調理道具も良いもの置いてあるし何から何まで値段が高そうだよね･･･｣ ｢･･･当たり前じゃないか？俺の家もこんなものだぞ｣ ｢俺も先輩と同じく｣ ｢だーよね｣ え、先輩と皐太くん達、それ、本当なの。 ええええ。 ということは･･･ ｢みんな･･･お金持ちなの？｣ ｢｢｢｢｢｢ああ/うん/そう｣｣｣｣｣｣ ｢えええ！！そうなの！？｣ 僕、そんなお金持ちの人に囲まれてたんだ･･･。 ｢いや、神風。お前も結構な･･･、いや、1番裕福じゃないか？｣ ｢え？｣ ｢え？って･････違うのか？｣ ｢だって、でも、僕のところって普通の、ごく普通の一般家庭ですし･･。 家も別に･････｣ ｢いやな、God wind Corporationって結構な資産家だぞ。 お前はそこの一人息子だろう？｣ ｢はい？･･･僕、違いますけど｣ ｢いや、そんなことは無い。 入学時の書類にそう書いてあったからな｣ ｢いや、でも･･･。僕は、違うと思います。 確かに、僕が父さんと母さんについて知っていることと言えば政信叔父様と親しい間柄と言うことしか知りません。 だけど、やっぱり、そんなことはないと思います｣ ｢まあいい。時期に分かることだろうからな｣ ｢･･････｣ 絶対に、ない。･･･と、思いたいけど。 実際何も知らない僕がそう思っても分からないことで。 本当は、どうなんだろう。 パーティーが終わった後、悠眞以外は集まっていた。 ｢先輩･･･、どうして、悠眞は何も知らないのでしょうか｣ ｢早水･････それを俺に言われてもな。 ただ、悠眞の御両親が何か隠しているのかもしれんな｣ ｢隠す？｣ ｢まあこれは予想でしかない戯言だがな。 それ程、悠眞は御両親から愛されているのだろう。 だが、悠眞が家ぐるみで理事長と知り合いなのだから一般家庭なわけは、ないな｣ 何か、隠しているのだろうか。 全てが謎に、包まれる。 真実を知っているのは、誰なのやら。 ―――それを知るものは、誰もいない。