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誰か。
「ひゅっ・・・かはっ・・・・・・はーっ、はーっ、う・・」
「おい、どうしたんだァ?」
「・・・悠眞?」
「息、できな・・・っ・・・・・や、あ・・・ひゅ、・・・」
空気を吸っても吸っても、息ができない。
お医者さんから習った治す方法を試しても、だめ。
全然、息ができない。
胸が、痛い。苦しい。
「はーっ、はーっ・・・・・・かひゅ、っ・・・んぐ、」
どうしよう。
息ができない。
「おい、ちょ、おい!!」
「悠眞!しっかりしろ!おい、これどうすんだよ」
「俺に聞くな!俺じゃ何もできねェ・・・っ」
「たく、みぃっ・・・んぐ、ごほっ・・・ひゅ、はーっはーっ・・・」
「逃げるぞ!悠眞、また、な!」
「俺も、・・・くそ」
ガチャッ
「動くな!!!」
もう、誰なの。
どうせなら、死んでしまいたい。
もう、このまま息ができないのなら。
犯されるのなら、死にたい。
薄れゆく意識の中、そう考えていた。
「ん・・・・・」
ここ、は・・・・・・・・ぁ・・・・やだ、いやだ。
もう、やめて。
犯されたくなんて、ない。
「やだ、やだああああああああああ!!」
「しっかりしなさい!悠眞、大丈夫だ!!!」
しっかりと悠眞の細い身体を抱きしめた。
その人は、政信だった。
「ひ、っ・・・・・」
「・・悠眞、大丈夫か?」
「先、輩・・・に叔父様・・・・・それに皐太くん達まで・・・・・・どうして、ここに」
「ああ、無事で良かった・・・っ」
「悠眞、悠眞!!」
なんで、ここにいるの。
政信に代わり、更に2人からぎゅーっ、と抱きしめられる。
痛いほどに。
「父さん、母さん・・・・・・。っ・・・仕事、は?」
「そんなこと、どうだっていいのよ?
悠眞の無事が1番なんですもの」
「そうだぞ。・・急いで駆けつけたつもりだったんだが。
遅くなって、すまなかった」
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