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どうしてここに。

「政信さんにね、凄い声で電話を貰ったの。 悠眞が危ないって。だから警察引っ張って来たんだけど・・・。 遅かったみたいね。悠眞がこんなにも怖い思いをしたなんて。 そんな時に駆けつけてあげられないなんて、親失格ね・・・」 「ボディーガードを解任したばっかりに・・・本当、ごめんな」 「春香ちゃん、克哉君、君たちが悪いわけではないよ。 これは私の責任だ」 「政信さん・・・」 「学園での責任は私にあるからね。 悠眞を、守れなかった」 なにを、言ってるのか、わからない。 「・・・母さん、父さん。それに、政信叔父様。 何のことを言ってるのか、さっぱり・・・・。 それにボディーガードって?」 「いずれ、話さなければいけなかったのにね。 ・・・私達が秘密にしてきたばっかりに」 「悠眞、春香、その話は後だ。今はそんなことを話す時ではないだろう? お前は大変な思いをした。今は、安らぎの時間が必要だ」 「・・・・・・父さん」 「政信さんには少しお話があるのですが・・・良いですか? 悠眞のこれからについて、少し。 春香も一緒にいた方がいいだろう。 悠眞は学校のお友達と話していなさい」 「分かった」 「・・・えっと、その、助けに来てくれて、ありがとうございました」 「そんなこと、当たり前だろう? 本当はあいつらをぶん殴るつもりだったんだが悠眞が心配でな。 家の者に拘束させてある」 「そう、なんですか・・」 「来た時の悠眞さ、ほんとやばかったんだからなー?」 「皐太くん・・・・・」 「過呼吸だし、・・・まあ、あそこから血出してるし・・、だし!」 「え!?うそ、見たの!ごめん、汚いもの見せちゃって!!!!」 すごい、恥ずかしい・・・ 「いや、汚くなんてないから! むしろ綺麗だし襲いたくなる気持ちも分かるっつーか・・・」 「あ、ごめん。聞こえなかった」 ぼそぼそと皐太くんが言うもんだから最後が聞こえなかった。 思わず聞き返したけどなぜか先輩から睨まれて顔を青くしてた。 ・・・どうしたんだろう。

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