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秘密。
「まあ、大丈夫だ。今はもう綺麗なはずだから」
「え?・・・・・・あ、え、・・・っ」
ぶわわわわわ、と悠眞の顔が真っ赤に染まった。
聖人はああ、と意味を理解した様子で答えた。
「心配するな、洗ったのは俺じゃない。御両親だ」
「あ、はい・・・。あの、・・・ごめんなさい、ご迷惑をおかけして」
「それは別にいい」
「てか悠眞も凄かったけど御両親も凄かったなぁ・・・」
「僕の?」
なにが、凄かったんだろう。
「だってさ、凄い数の警察連れてくるし弁護士とか・・・・・もうとにかく人が多かった」
「えええ」
そんなに・・・。
「まあさ、やっぱり悠眞ってあのGWCの息子さんってことが分かったね」
「お父様が社長だったからな。見覚えがあった」
弓月が呟き、伶威が頷きつつ話した。
「GWC?ていうか、今ここにそんなに大勢の人いないし・・・。
それに父さんが社長だなんて・・・・・」
嘘でしょ、絶対。
僕は、普通。普通な家庭なはず。
「帰ってもらったの。それに、父さんはお偉いさんよ」
「母さん・・・」
「皆さん、すまないね。悠眞が世話になっていると聞いている」
「・・・父さん」
「いえ、神風さん。俺達こそ息子さんにお世話になっています」
「・・・・・君は確か、風紀委員長の長谷川聖人くんだったね?
急いでいて挨拶をする余裕がなかった。すまない。
そういえば長谷川くんは、悠眞のことを知っているそうだね。
この学園で、悠眞の信頼者となって欲しい」
「勿論です」
悠眞のことを知っている、とは悠眞の秘密を。
病気のことを知っているという意味だろう。
それを理解した上で、聖人は克哉に返事を返した。
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