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すれ違い。

「悠眞・・・。本当に、ごめんなさい、色々隠してきて。 でもね、お父さんとお母さんはそれが悠眞の為だと思っていたの」 「僕の、為?」 僕のために、何を隠したというの。 「悠眞には、家が裕福だからといって我が儘に育って欲しくなかったんだ。 周りに頼り過ぎず、自立する子にな。 だが、・・・俺達が間違ってしまったようだな」 「・・・そうね。逆に、悠眞は我が儘なんて言わなかったわ。 嫌なことも、私達にぶつけずにひとりで抱え込んでしまったわね」 「そんなこと、ない!僕、我が儘ばっかりで・・・・・・。 それに前母さんに会ったときぶつけちゃったし・・・っ」 「あれは私が悪かったのよ」 「・・・俺達は、悠眞がいじめにあっているのを知っていた。 知っていたにも関わらず、・・親なのに、止めさせはしなかった。 権力でどうこうは、したくなかった」 「でもそれは、私達の勝手な都合ね。 ・・・悠眞のことを一番に考えていなかったのかもしれないわ。 会社のことを、世間を、伺っていたから。 悠眞に、辛い思いをさせてしまったわね。 今回のことも、私達が昔止めていれば、済んだ話だったのに・・・・・。 延長線上に、あったのに。気づけなかったの」 「すまなかった。・・・あの2人には、警察に厳しく刑を科せさせる」 ・・・拓巳。 でも、でも。 「あの2人、何とかできないかな」 「・・・・・?」 父さんが、少し戸惑った様子で聞き返す。 「あのね、拓巳は例え僕を変な目で見てたとしても中学生の頃は拓巳だけが支えだった。 拓巳は、こんなことしちゃったけど、でも、今日だって殴られそうになったら守ってくれた。 僕を大切に思ってくれた気持ちは嘘じゃないと思うから。 それにもう一人も、どんな方法であろうと、僕にいじめをしていたとしても、僕が1人だった時に一緒に居てくれたから。 その時、確かにいじめられたりしたけど、会話してくれたり、したから。 だからあの2人は警察沙汰にしたくない。 僕の我が儘、聞いてくれないかな・・・? 今まで、迷惑かけて、我が儘も言った僕だけど、これで最後にするから。 ・・・・お願いします、許してあげてください」 頭を下げて、できるだけ下げて、父さんと母さんに頼んだ。 いじめられたことは、確かに苦しかったけど。 これは本心。 過去は過去。今、どうこうしようとなんにもならないから。 今、楽しければそれでいい。 事実、今は色んな人に支えられながら楽しく生活している。

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