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第4話

☆金髪の男☆ 目の前にいる男の特徴を上げよう。 レモンよりも鮮やかな金の髪、目はルビーのように真っ赤な紅目。 身長は俺より高く、少し見上げるほど。 睫毛も男のわりに長いし、手足もモデルかと思わせるほど長い。 その上、顔はアニメのキャラクターを具現化したかの如く綺麗に整っている。 変なパーツや不細工なパーツは微塵もない。 全て成功品で作られたような顔だった。 ‥‥これって世間でいうイケメンですよね? はい。 金髪の男は、俺がいきなり顔を思いっきり上げた後もずっと無言だったのが不安らしくまた『大丈夫?』と尋ねてきた。 ふざけるな、大丈夫じゃない。 冗談じゃないぞ、大丈夫じゃねーよ。 俺の脳内警報機がこいつはまずいと鳴ってる。 変な意味じゃないぞ。 勘違いしないで欲しい、危ない方だからな。 もう既にまずいらしく、額からはじわりと汗が出て、少し手がカタカタと震えてくる。 これは早く退散しないと俺の身体が危ない。 とりあえず、お礼言ってここを去ろう。 そうだ、それがいい。 「…大丈夫です。助けていただきありがとうございました」 俺の不自然な雰囲気を相手に悟られないように一応笑顔を貼り付けておいた。 はにかむ程度に。 でもこれが間違いだったんだ。 このちっちゃな行為が後から厄介になることを今の俺は知らない。 この時の俺は只イケメンから逃げたかっただけなんだ。

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