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第9話
☆実の姉は変態だった☆
あいた口が塞がらないというのは今の状況のことだろう。
なんだ実の弟を女装させようとするこの変態。
「いやー、小春はこういう時にしか女装させられないし。誕生日プレゼントないなら…ね?」
『ね?』じゃない。
頭が痛くなりそうだ。
「ちっちゃい頃とか中学生の時はやってたじゃん。高校生になってから一回も女装してないし。そろそろ、小春のこと女装させたいと思ってたからちょうどいいわ」
待て待て。
まるで俺が女装癖があるような言い方をするな。
俺はそんな趣味全くない。
確かにちっちゃい頃は普通にやってたさ。
純粋だった俺は何も知らずに。
そこは許そう。
だがな、中学生の時は恥ずかしいというより屈辱でしかなかった。
もうあの記憶は黒歴史の一部と化していて封印したい…。
「雪姉、頼むからそれ以外でお願いします」
「却下」
即答するなよぉぉ!
「だって、なんでもいいんでしょ?」
「うっ…」
たしかにそう言った。
でもこれとそれは違うだろ…。
「ね?だから女装やろ」
「やd「小春、お姉ちゃんの言うこときけるよね?」
「…はい」
雪姉がこうも怒ったような雰囲気になったら止められない。
大人しくいうこときかなければならないようだ。
あー、誰かこの変態から助けてくれ。
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