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第19話

☆紅茶が美味しいですわ、すわん☆ 結局、生徒会室に連れて来られた俺は透からティッシュを受け取り止血とかしてもらう。 幸いな事に書類には血が付いていなかったから安心した。 「はい、お茶。本当にすまなかった。大丈夫か?」 「大丈夫、ありがとう」 コトリ、木彫りのテーブルに湯気が上がった紅茶が出される。 高級感のありそうなカップで出されてきたのだから中身もお高いものだろう。 庶民派、井上 小春にはお口が合うだろうか。 ついでに透の問いに答えると正直、おでこの辺りはまだ痛い。 しかしヒリヒリと痛む程度だ、大丈夫だろう。 俺はもらったお茶に口をつける。 ふむ、砂糖が適度に入っていて苦味が少ない、とても美味しゅうございます。 「それで、小春。どうして生徒会室に来たんだ?珍しい」 「あっ、そうだった!雅さんに資料渡してって頼まれて持ってきた」 お上品にお茶を嗜む俺を見てから透は正面のソファに腰掛けた。 ハッとした俺は自分の傍らに置かれた書類をテーブルに置く。 「雅さんから?あー、あの人そういえば生徒会の担当の人だったな。ありがとう」 透は俺から書類を受け取り、ぱらぱらと見ていくと「これかー」と小さく呟く。 「どういたしまして。ところでさ透…」 「おう」 書類に対して面倒な表情を浮かべる彼を見つつ、俺がさっきから気になって仕方なかったことを聞こう。 いや、聞かなければならない。 「さっきの光景はなんですか?」 「は?」 透が書類を見ていた手を止めた。 「だからさっきお前が男の人に押し倒されてた光景のこと」 と俺がいい終わる前に透は書類という名のプリントを床に落とした。 「あっ、えっ…な、なんのことかな?」 バサバサ散る紙は様々な方向に落ちていくが透は止まったままだった。 そういう返答するってことは動揺してると受け取るぞ。 そしていつも冷静な感じの透が動揺するのは珍しいからわかりやすい。 「とぼけるんじゃない。俺はさっきこの目で見たぞ。いま俺が座ってるソファで押し倒されてる透を」 「……見間違い、じゃない?」 それではいけないと感じたのか今度は紙を拾い始める。 声は震えてるくせに。 まぁ、いいけど。 「…透、お前ホモだったんだな。先日新●結●について語ったお前は嘘の姿だったのか…」 俺が少し悲しそうな声で言うと透はプリントを拾う手を止めながら 「違う!俺はホモじゃない!俺は女の子が好きだし、新●結●が大好きだ!寧ろ新●結●と付き合いたい!」 と大きい声で言い出した。 「じゃあ、さっきの光景はなんだよ!説明しろよ!」 「あれは勝手に柴崎が「はいはーい。そこまでー」 透の言葉をぱんぱんという手の音と言葉で誰が遮ぎった。

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