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第27話

☆嫌な予感☆ それから俺達は雑談していた。 不良ということながら、荒々しいイメージがあったというのに柴崎という男からは感じられない。 ヘラヘラとした表情がそうさせてるような気もするが…なんだか目の奥では俺を値踏みしてるようで苦手だ。 多分、嫌いではないけど仲良くしたくないタイプ。 こういう雰囲気の人間はどうも信用できないし。 てか…俺さ。 ただ資料を届けにきただけだっていうのに、なんか馴染んでない? *** 「まぁ、あの先生の授業は常にそんなものだろ」 「そうだよね」「そうやな」 そんな考えもありつつ、書くことに意味のなさない会話が一区切り。 夕日も沈みかけては生徒会室も暗くなり始めた。 「なぁ、柴崎。今日は会長来ないのか?」 ぱちり、書類をクリップで止めた透が次なる話題を振る。 「あー、用事あるらしい。でもそんな時間かからないとも言ってたからそろそろ帰ってくると思うで。どうしたん?」 「いや、なんとなく」 「へー」 「なんだよ、その反応…。あっ、小春」 「何?」 「お前、生徒会長のこと知ってる?」 「知らない」 だって俺は集会の時ねr(ゴホンゴホン) 同じこと何回も言ってるな俺。 透は冷めた目でこちらを見るが知らないものは知らないのである。 「だよな。柴崎のことも知らなかった位だし。ついでだから生徒会長のことも見ていけよ」 「えっ……」 やだよ、生徒会長ってことは学校で一番ファンなの舎弟なの多いイケメンなんだろ? …俺の答えは出てる。 勿論、お断りだ! と言おうと思ったけど… 「せやな。今の透の言い方少し気になるけど、透だから許すな。こはるん、とりあえず見て損はないと思うから…な?」 と、柴崎に言われた。 いやいや、損あるよ! 俺にとっては会わない方が得だ! 透は俺がイケメン嫌いなの知ってて言ってるんだよな?! お前に目で訴えたの無視しましたね。 うわー、初めて俺はお前に殺意湧いたわ…。 なんかその生徒会長に会わなきゃいけない雰囲気になったから断れなくて、頷いてしまったし。 それになんというか凄い嫌な予感するんだよな。 そう警報機が伝えてる…。 でも会わなきゃ帰してくれる気配もない…。 はぁ…助けてくれ。

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