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第28話

☆会長と会う前に帰りたい☆ この会わなきゃいけない雰囲気で帰れるわけもなく。 それでも俺はなんとか帰れる方法を考えていた。 しかし透はそれを遮るように俺に話しかけてくる。 「小春、生徒会長の名前は知ってる?」 「おい、柴崎のこと知らないのに生徒会長の名前知ってると思う?てかさっきも似たようなこと俺にいったじゃないか」 「そうだったな、すまん。じゃあ、『東条 千秋』と言えば分かる?」 「『東条 千秋』?」(とうじょう ちあき)…あ、あの学校一の不良の?」 聞き覚えのある名前を口に出されたが、顔はもちろんわからない。 透は次の資料をホッチキスで止め始めては積み上げた。 「そう。その人がこの雲学の生徒会長」 「えっ、マジかよ?!」 東条 千秋。 さっきも書いたが俺は周りの生徒が言うことや噂でしか聞いたことがない。 東条 千秋は学校一の不良。 学校で一番喧嘩が強くてどうやらこの学校に入学してから喧嘩をして負けたことがないらしい。 無敗ってやつ? 3年でも倒せるやつがいない、だからこの雲学の不良トップを立つ男。 喧嘩でのストーリーはあり過ぎてついについた異名は『紅目の犬』 紅目がつくのはそいつが紅い目をしてるってことはわかるだろう。 犬なのは相当鼻が効くかららしい。 そういえば、聞いた話だと喧嘩した相手が逃げて、隠れた場所を匂いだけで見つけたとか。 …こわっ! 目つけられたらいけないタイプだよ。 でもそういう奴が生徒会長なれるんだな。 実際に柴崎もそういう雰囲気ないけど不良で副会長だし。 流石は雲学…というよりも選挙方法。 俺はそんなやつに今から会わなきゃいけないとかどんな罰ゲームですか? 助けてくれ…。 「こはるん怖がらんといてー。千秋は変なことさえしなきゃ、普通の人やから」 と、柴崎が笑いながら言った。 そういえば、柴崎が笑ってるので思い出したけどこいつの異名は『笑う遊び人』だったな。 理由?察してくれ。もしくは奴のページに戻ることお勧めする。 なんて柴崎のことはどうでもいい。 それより変なことって?! 「おい、柴崎。小春が余計に怖がるだろう!」 全くだ、余計に恐怖心が強くなった。 「あらら、それは堪忍」 なんて話をしてたら、後ろの生徒会室の扉が開いた。

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