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第36話

☆複雑です☆ 考えがあるって…本人の前で発表しちゃいますか。 てか俺をどうする気だ。 「へー、どんなことするん?」 俺の代わりに柴崎が東条 千秋に問う。 「どうするというか…俺は春ちゃんに言ったんだよ…。待ってるって」 はい? 「春ちゃんに名前を聞いた後すぐ走っていなくなっちゃってさ。聞きたいこと聞けなかったんだ。だから春ちゃん走ってる後ろで『ここで待ってるから』っていった」 東条 千秋は聞こえたかわかんないけどね。と付け足して言った。 たしかに俺が走ってる時なんか後ろから聞こえたような気がするが…そんなこと言ってたのか。 すまないな、あの時の俺はお前から逃げることで必死だったんだ。 「千秋、『ここで』ってどこやねん」 「いや、普通にナンパから助けた場所だよ」 「ふむ。仮にその場所で待つとしても、もし春ちゃんにその言葉聞こえてなかったらどうするんや?あんさんは待ち続けるんか?」 「仮じゃなくても待つよ。それに春ちゃんに聞こえてなくてもいつかはその場所を通るわけだから俺は待ち続ける」 「千秋…」 柴崎はまだ何か言おうとしたが東条 千秋の真剣な顔を見てやめたようだった。 「そうか…。無理…せんといてな?」 「おう。」 柴崎が心配する顔で東条 千秋に言い、東条 千秋は優しい笑顔で返した。 俺はイケメン2人のそんな姿を見て複雑な気持ちになった。

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