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第39話

☆思い返す☆ 俺が玄関を開けても電気がついていなかった。 きっと今日は雪姉の仕事が遅いのだろう。 元々、雪姉は仕事が好きだし、頼りにされていていつも仕事で忙しい。 残業だって喜んでやるくらいだ。 体も丈夫だけどやっぱり、目にクマが出来ている時とか心配になってしまう。 まぁ、本人にそんなこと直接言うと面倒なことになるから言わないけど。 俺はリビングのソファに荷物を置いて、キッチンにいき晩御飯を作り始める。 今言ったような環境だから大体の料理は作れるようになった。 というか、家事全般は一通りできると思う。 これはいいことなのかな。 ご飯を食べて、お風呂入ったり、洗濯したりと時間を過ごして自分の部屋のベットに入った。 自室の天井はクリーム色だから仰向けになっても面白味がない。 寝返りを打つ。 今度は教科書が整頓されずに散らばる机が目に入る。 いつもなら整理をするのに、身体が重くて動きたくなくて。 それを視界から消すために瞼を閉じた。 しかし…今日は色々な事があった。 いや、昨日からか。 雪姉に女装させられて、ナンパされ、東条 千秋に助けられた。 学校では選挙方法教わって、柴崎と東条 千秋というイケメンを初めて実物で見た。 まさか、生徒会の会長と副会長が不良だなんて思わなかったな。 そして会長が俺を助けた奴で惚れられた話を聞かされた。 色々あり過ぎて頭が痛くなりそう。 女装したとはいえ、男に惚れられるなんて…。 しかも嫌いなイケメン…。 あり得ない。 東条 千秋はあんな真剣な顔してたし、本気かもしれないが。 透にはわかってるっては言ったけど、俺は少しばかり信じてない部分がある。 だって会えるかわからない…もう会えない俺が作り出した架空の人物を待ち続けるんだぞ? 俺なら無理だ。 きっと東条 千秋が言っていた『ずっと待ってる』という言葉は3日ぐらいで終わるだろうと俺は思って眠りに落ちた。 そして俺は数日後、東条 千秋という男を甘く見ていたと思い知らされ、重大なミスを犯していたことに気づいていなかった。

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