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第46話

☆真実を告ぐ前に☆ 「春…ちゃん…?」 東条 千秋は俺が現れて目を丸くしていた。 そりゃそうか、何日も待った人物が目の前に来たらそうなるよな。 「どうして…ここに?」 「えっと、傘…なかった……みたい…だから」 さっき見た時に傘がなかったから持ってきたのだ。 それに話しかけるきっかけにもなるし。 そんな考えをしているのも知らずに、東条 千秋は俺がもってきた傘を受け取った。 「ありがとう。春ちゃんやっと会えたね」 「そう…ですね」 「「……」」 沈黙かよ! なんか…話さないといけないよな。 「あの…ずっと待っててくれたんですか?」 って思って、出てきたのは答えを知ってる質問しかでてこなかった。 「あ、あぁ」 「すみません。ずっとお待たせしてしまって」 逃げてしまって、ごめん。 「いや、好きで待ってただけだよ。えっと、雨降ってるし、こっちきたら?」 東条 千秋は自分のいるバス停の方へ手招きする。 「だ、大丈夫です!そんなに気を使わないで下さい。東条 千秋さん」 なんて言ったら東条 千秋は、 「俺のこと知ってるの?」 と驚いた顔で聞いてきた。 しまった。 瞬間、俺の背筋から血の気が引いたのを感じる。 ついでに外は寒いっていうのに汗を書くような感覚までした。 失言だ。 俺はあの時、名前なんて聞いてないから東条 千秋のことは知らないはず。 これでは、春としての二度目の出会いは失敗になる。 てか、最悪バレるかもしれない。 「あっ、え、はい。ちょっと…私の友人がしってまして。この前、写真を見せてもらったら助けてくれた人と同じ顔で!!思わず名前を聞いてきたんです!」 小さな脳みそフル回転させて口から出たがわざとらしさが隠せない。 うわぁぁ、なんて酷い誤魔化し方なんだ。 こんなんで信じてくれるわけ… 「そ、そうか。なんか名前知っててもらって嬉しい。その…友達に感謝しようかな」 信じたよ?!嘘だろ?! しかも顔赤いし。 もう、こいつ大丈夫かな…。 まぁ、馬鹿で安心したけどさ。

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