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第54話

☆いざ、楽園へ☆ 扉を通った先には屋上に溢れる不良達の姿。 さすが、不良の楽園である屋上。 俺の登場で一気に視線が集まる。 …実に帰りたくなるな。 何十の瞳に見つめられてはそう思う。 そしてその集団の中心あたりにいる奴が立ち上がり話かけてきた。 「こはるーん、ここや、ここ!」 その男は柴崎だった。 手振ってきてるし。 ここって言われても周り不良達いるからいけないのだが…。 「あんさんら、こはるんここ通るから道開けてぇな」 柴崎の言葉に周りにいた不良達は道を開ける。 その道を頭下げながら…うつむいて通った。 不良達の視線が痛い。 今日は色んな人からの視線が酷い日だ。 俺は中心に着いて元凶を見た。 これも全て… 柴崎の隣で険しい顔をして座ってる東条 千秋のせいだ。 こいつも睨んでるし。 はぁー、どうでもいい話だが…ここに着いてから思った。 この屋上は楽園っていうより地獄だな。

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