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第62話
☆真っ赤☆
「そしててめぇに『大丈夫?』とか言ってる間に、匂いで男って気づいたわけだ。ついでになんで女の格好してるのか凄い気になった。それを聞こうとしたのに…てめぇが…」
東条 千秋は俺から顔を背けて、顔を赤くしていた。
なんだ?
俺あの時何かやったか?
なんで無言になる?
わからな過ぎて俺は首を傾げた。
「てめぇが…てめぇが…笑いながらお礼言うからそれどころじゃなくっなったんだよ!!!」
顔を赤くした東条 千秋に怒鳴られた。
はい?
「男とか関係なく可愛いと思ったんだからな!女にも思ったことないのに…」
『可愛い』という単語で思い出したぞ…あれだ貼り付けた笑顔のやつか!
「平凡的な顔なのにあの笑顔とか反則だろう!」
わぁお!東条 千秋にも平凡顔って評価うけちゃった!
毎度言うけど知ってるよ!俺が平凡顔って!
HAHAHAHA!
「おかげで惚れたじゃねぇか」
HAHAH…えっ?不思議な言葉聞こえたー。
俺はなーんにも聞いてなーい。
スルー安定。
本当に「意味不明だ」迷惑だ、このイケメン金髪。
「意味不明じゃねぇよ。それで、名前聞いたんだよ…偽名言われたけど」
「おい、あの状況で実名言えというのか」
実名も女の子っぽいけどな!
「…言って欲しかった」
「えっ…」
おい、そんな悲しそうな顔をするな。
変な罪悪感が生まれるだろ。
「しかも色々聞こうとしたら逃げられた」
それはあの時の俺はあんたから逃げたい一心だったからであってだな…。
「逃げられて、もう会えないなと思った」
「……」
俺はもうあんたとは会わないと思ってたけどね。
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