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第67話

☆透 side☆ だがな、これには少し訂正があるのだ。 本当の会話はこれだ。 「仮にそうなったら毎年命日に墓参りしてくれな」 「縁起悪いこというなよ!」 俺は思わず大きい声で言ってしまった。 小春のことだから本当になりそうで怖い。 これは昔からいるから言ってるのだ。 そんな俺の考えも知らずに小春はドアに向かって歩いていった。 でも2、3歩と足を進めて止まった。 「なぁ、透」 後ろを見て心配そうな顔をした小春が俺を呼ぶ。 「何?」 「透なら…命日できる前に来てくれるだろ?」 今度は少し真面目な顔して言ってきた。 俺が答えを言う前に小春は再び歩き始めた。 「……いってくるわ」 小春はドアから出る直前、笑って。 まるで、『頼むな』とでもいいそうだった。 だから、俺は 「いってこい」 と言って小春を見送った。 これが事実だ。 小春があんな言い方をしたのは俺がそういえば断れないのを知ってるからだ。 全く、これだから幼馴染は嫌なのだ。 それに俺達は変にお互いを知り過ぎてる。 いい所も悪い所も。 でも恋愛感情なんて存在しない。 俺達は幼馴染兼親友なのだから。 その分お互いの信頼関係が強い。 だが、小春。 小春が俺に頼ってくれるのはいいが、おかげであまり好きではない権限使って授業を放棄(サボり)してしまったではないか。 後で覚えてろよ。 そして冒頭に戻り、俺は屋上へ向かってる。 向かってると言ってももう階段登ってるけど。 それにしても今日は屋上騒がしいな。 俺は階段を上がり終えた。 目に写るのは不良、不良、不良…不良の群れ。 まぁ、予想はついてたけど。 屋上なんてそういう所だし。 昔から…変化がみえなくてムカつく。 はぁー、マジでここはいい思い出ないから嫌いだ。 思い出すだけで腹が立つ。 まぁ、そんな昔の話…話をする気にもならない。 俺が階段から上がって来たことで一気に視線が集まる。 そこからの話声。 「誰だあれ?」「小林 透だ」 「チッ、また人が来たのかよ」 「ダメだよー、園田。怒らないのー」 この他にも色々聞こえる。 ざわざわ五月蝿いな。 俺は屋上に出る扉の前にいる男まで歩いていった。 「おい、柴崎」 「透やないかー、どうしたん?」 柴崎はいつものヘラヘラした笑い顔でいる。 「そこ通せ」 「なんでぇ?」 「理由はいいからそこを通せ」 俺は柴崎を睨みながら言った。 「あかん、通させへんよ」 「いいから通せ、バカ崎」 「てっめぇ、柴崎さんになんて口聞いてんだよ!」 今の言葉に柴崎の近くにいた坊主頭が反応していきなり俺を殴ろうとしてきた。 俺はその殴ぐろうとした手を止めようと動いた。 しかしそれより早く柴崎が坊主頭の手を掴み阻止する。 「園田〜、透のこと殴ったら承知せんで〜。」 柴崎の黒い笑いが園田と呼ばれる坊主頭に向けながら。 園田はその笑いに恐怖を感じたのか顔が一気に青くなっていた。 俺もいつもと違う笑い方に背中がゾワっとした。 でもその顔は一瞬で消え、いつものヘラヘラした顔に戻っていた。 「と、言うかな。あんさんら全員教室に戻るんや。学生の本業忘れたらあかん!」 …一応、柴崎も学生なのだがな。 まぁ、俺もその本業すっぽかしてここにいるから言えないけど。 「えー、いやですよ」 ピンク頭が首を振る。 「嫌やない!ほらっ、全員戻るんや!」 柴崎の言葉に周りの不良は従うように立ち上がり、次々階段から降りていった。 へー、素直に聞くんだ…以外。 ピンク頭は「えー」とかまだ言ってたけどさっきの坊主頭に引きずられながら階段を降りていった。

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