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第69話

☆コンビニ袋と神様☆ 久しぶり…井上 小春です…。 やべぇ、ふざける元気ない。 「ハァッ、ハァッ、ハァッ」 俺は…絶賛過呼吸中だ。 薄い意識で頑張ってますよ。 えっ、じゃあ喋るな? いやいや、それは無理な話だ。 俺が喋るのやめたらこのページは後、白紙になってしまう。 それはちょっとやだから…喋るよ…うん。 後、俺は死ぬまで喋るって決めてるから無理。 「ハァッ…ハァッ、ヒュッ、ハァッヒュー」 あら…さっきより酷くなってない? さっきまでハァッだけだったけどヒュッってやつまで…音が入ってきた。 フェンスの金網を握る力もなく、どんどん指が離れていく。 うーん…本当死ぬかも… つか…いつの間か東条さんがいない…んだけど。 逃げた?…それはないか… それとも…俺が過呼吸なりながら言ったこと伝わったとかかね…。 「ヒュ、ハァッ…ハァッハァッ」 くそっ…苦しい。 もう、きつ過ぎ。 教室出る時…透に遠回しに助けに来いって言ったけど…本当に来てくれるかな… いや…伝わってるわけないか… 「ハァッ、ハァッ、ヒュ、ハァッ、ハァッ」 「小春!?」 うおー、透の声がする… 「ハァッ…とお…ハァッる…?ヒュッハァッ」 やば過ぎてもう幻聴まで聞こえる感じ? もう、俺やばくない? 「喋らなくていい」 ボヤけた視界に透の顔が写った。 …ってことは本物…か。 透はポケットからコンビニ袋を出してすぐ俺のの口元に当ててくれた。 袋持ってるとか…流石…透だわ。 俺のこと…わかってる。 「小春、もう大丈夫だ。袋持ってきたから…ほら、深呼吸」 もう意識やば過ぎて小さく頷いくことしか出来なかった。 俺は透の指示に従って深呼吸を始めた。 「そう、そのまま…ゆっくり」 俺が呼吸する度にコンビニ袋が伸縮する音が聞こえる。 でも呼吸すれば俺の呼吸が少しずつ直ってきてるのが分かる。 透は俺の呼吸が直るまで背中をさすってくれてた。 …透、マジ神様、優男、イケメン。 今度からこいつのこと神様って呼ぶわ…俺。

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