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第70話
☆神様、あいつが犯人です☆
俺の呼吸がだいぶ落ち着いて視界が広くなってきた。
俺の周りにいるのは…透、柴崎、東条 千秋。
3人か…良かった、あんな沢山いた不良がここにいたら精神的にきてた。
「小春…大丈夫?」
「うん……だいぶ楽なった。ありがとう」
「いいよ。楽なったら良かった」
透は俺の頭をポンポンと撫でてた。
俺もうそんな歳じゃないんだけど…。
「おい、柴崎」
「なんやー」
「小春に飲み物を買ってきてくれない?」
「ええでー。ん?これってパシリかいな!」
「だって、小春のこと心配だから離れられないし」
「んー…千秋もおるやん」
「…柴崎、俺は千秋じゃなくて柴崎に頼みたいんだけど。てか柴崎じゃないと頼のめない。だから…お願い!」
「…しゃ、しゃーないな。ほな、いってくるわ」
「ありがとう、柴崎!」
柴崎が少し照れた顔をしながら屋上から出て行った。
……なんだこの茶番。
「おい、透。なんだあの後半の喋りは?作ってるの丸わかりだぞ」
「あれ、バレた?」
バレバレだ、逆に気づかない奴は馬鹿だ。
「いやー、柴崎だからあんな風に言わないと行かないかなと思ってさ。それに、3人になりたかった…し?」
まぁ、確かにそうだな。
透、お前って柴崎の扱いが上手いな。
やっぱり、柴崎と付き合ってるからなのか?(勘違い)
そしてなんで最後が疑問形だったのかはあえてスルーしてやろう。
「で、なんでこうなったのか教えてもらおうか?」
透、なんて素敵な笑顔で俺に質問するんだい?
俺じゃなくて、あっちの無言でいる金髪ボーイに聞いてくれよ。
というか金髪ボーイ、俺の代わりに話せ。
あんたが壁ドン、抱きつき、キスしたせいでこうなってんだからな?
えっ、俺が話せ?
…しっかたないなー。
「えーと、とりあえずだな。まず、俺が屋上に来たわけでして…」
あら、敬語みたいになってる!
これはあれだ、透さんが『うんうん』と言って笑って恐ろしいオーラを放っているからだ!
そういうことにしておこう。
「あいつ…東条 千秋さんと2人きりにされまして…。謎の鬼ごっこを繰り広げ、フェイスにぶつかり…。抱きしめられ、キスをされ…過呼吸な…りまっした!」
最後は透の怒りのオーラがすごくてっ!
声がおかしいくなったの!
ご、ごめんなさい!睨まないで!
ぜ、全部、東条 千秋がやったんだぞ!
透がそれを聞いてすごい剣幕で東条 千秋を見た。
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