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第71話
☆神様がご立腹です☆
「千秋…」
「なんだ?」
東条 千秋はけろっとした顔といえばいいのか…全然、透の表情、オーラにビビらない。
こ、これが不良のトップなのか…。
変な所で痛感させられた。
「お前…何やったのか分かるのか?」
「おぉ、小春が過呼吸起こした」
「そうだな。で、何で起こしたか分かるのか?」
「…俺のキスが上手かったから?」
一瞬考える素振りを見せた東条 千秋はそう答えた。
馬鹿だ!こいつ、完璧なお馬鹿だ!
なんでそんな考えにいきつく?!
ありえないだろう!
たしかにキス上手かったよ!
でもどう考えればそうなるのさっ!
馬鹿なの?阿呆なの?頭沸いてるの?
「馬鹿野郎!こいつはイケメン嫌いなんだよ!!」
透は俺の気持ちを怒鳴りながら代弁してくれた。
実にその通りなのだよ。
「イケ…メン…嫌い?」
東条 千秋は、はぁ?みたいな顔をしている。
「小春から聞いてないのか?」
「聞いてねぇ」
「……小春」
ヒッ!透、睨まないで!
「い、言う機会…なくて…」
透、怖い…ガタガタする。
どうしても昔から透の怒り顔は苦手だ。
よく、東条 千秋はこの透の顔を見て平然としていられるか不思議でならない。
「小春が言ってないなら俺が代わりに言ってやる。こいつはな、柴崎とか千秋みたいなイケメンを見ることは勿論、接触とかされるだけで拒否反応で肩震えたり今回のように過呼吸起こるんだよ!」
「なんだよそれ?!なんでイケメン限定なんだよ!てか透、てめぇもイケメンじゃねぇか!」
あっ、自分がイケメンなの否定しないんだ。
「知るか!!小春は俺には反応しないんだよ!そして俺はイケメンの類ではない」
待て、お前が十分イケメンだぞ。
自覚しろ。
「なんだそれ!ずりぃ!」
えっ!そこ!?
「意味わかんない、こいつ…」
俺は溜め息を吐いた。
「小春、千秋はこういうやつだ」
「うん。なんていうか薄々気付いてた」
というか最初から知ってたよ…。
東条 千秋が馬鹿だって。
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