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第72話
☆神様と説教☆
説明が遅れたな。
えーと、あの過呼吸は拒否反応の一種です。
許容範囲を超え過ぎるとあのようになります。
いつもの程度なら手握ってればなんとかなるんだけど…今回みたいに度が過ぎるとあのようになってしまう。
特に、抱きしめるのとかキスとかキスとかキスとかキスとか!
しかもディープキスというものをいきなりやってきたしな、あの男。
許容範囲を大幅に超えたわ。
こはるん、困っちゃう!
うへっ、気持ち悪い。
「全く、小春。拒否反応ここまで酷くなったのいつ以来だ」
さっきよりは怒っていない様子の透に尋ねられる。
「えーと、中学校以来かな」
それを見て俺もどもりがなくなった。
「中学校…『あれ』の時以来してないってことか」
「うん」
あー、でも『あれ』の時の方が酷かったような…まぁ、いい。
「『あれ』?ってなんだ?」
東条 千秋がさっきまで黙ってたのに変な所で突っ込んでくる。
やめなさい、触れるな。
「千秋は気にしないで。昔の話だから」
そう。昔の話だ。
『あれ』に関しては俺はもう思い出したくない。
「そうか…」
東条 千秋は再び無言になり深く聞こうとしなかった。
そういえば前も深く聞こうとしなかったよな。
まぁ、そっちの方が楽だけど。
「てか小春。俺はこんなことがあるからいつも袋を持ち歩けと言ってたよね?」
「はい…」
透が急に優しい口調になったことさえ怖く思う。
うぅ…透なんか最近怒ってない?
てかこの学校来てから怒ってるのめちゃくちゃ多くなった気がする…。
「男子校なんだからこうなることぐらい想定出来たことでしょ?」
「はい…」
「だからこんなことなった時に困るんだよ」
「はい…」
だがな透よ、言い訳させてくれ。
実はポケットに袋入っていたんだ…昼休みまで。
それをお昼ご飯食べた時、ゴミ袋として使って捨てたからなかったんだ。
…ってことを口で言いたいが透には言うと逆鱗に触れかねないので心の中で思っているけどさ。
透、マジ怖ぇぇ。
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