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第75話
☆お昼ご飯☆
あの過呼吸事件から数日経った。
えー、俺が今どこで何をしているかと言いますと…
「こはるんのお弁当のおかず美味しそうやな〜。わしになんか頂戴」
「小春、こんなやつにやらなくていいぞ。むしろ、俺にくれ」
「双方にやるおかずはないっ!」
「えぇ!こはるん酷いわ。グスン」
「柴崎、泣き真似とかマジ気持ち悪いからやめて」
「こはるんまでわしの扱い酷いわ!透〜、わしを慰めて〜」
「うわっ、ご飯食べてるだろ!抱きつくな!離れろっ!!」
こんな感じで生徒会室で昼ご飯食べてます。
えっ、誰と?
もう、察してくれ…。
あっ、俺には透以外にも友人がいるからな!
勘違いしないで欲しい、俺はぼっちではない。
ちゃんと、淳平のような友人がいるからお昼ご飯は必ずとも透と食べなくてもいいのだ。
じゃあ、何故此処に居るのか?
それはだな…
「でもこはるんが中学生の時に生徒会長やってたのは意外やなー」
「よく言われる。てかよくなれたなと思ってる」
「本当それな」
「でも、小春は口が悪いから色んなことを上手いこと丸めてきたんだろ?」
「なんだよ、口悪いって。」
まぁ、口が悪いのは…自分も自覚してるにはしてるけどさ。
もう少し言い方ってものがあるだろう。
「口が達者ってことだよ」
「それ褒めてるのか」
「褒めてるつもりだったんだけどな」
「って、あんたなんで俺のおかず盗んでるんだよ」
東条 千秋が俺の弁当にある卵焼きを1つ箸でひょいっと取っていった。
「いや、美味しそうだなと思って。うん、美味い」
人のおかず盗んでおいて笑顔で『美味しい』と言われたものだから何も言えなくなってしまう。
「…ありがとう」
だから、お礼は言っておこう。
「いい嫁さんなれるんじゃね?」
「おい、俺は男だぞ。嫁になんてなるか!」
「小春が男なのは知ってる。嫁は俺限定だ」
「意味がわからない。俺はあんたの嫁になる気はさらさら無い」
「えー」
嫁とか法令的に無理なのに。
こいつ…本当馬鹿。
「小春、千秋とイチャつくな。ほら、体育祭のこと話すぞ」
「おい、俺はイチャついてない」
透、お前まで頭沸いたのか?
何故そんな不思議な用語を出してくる。
「チッ、透のくせに邪魔するのかよ。まず、いい。ほら、話せ」
そして、東条 千秋、お前も誤解を招くことを言うんだ。
違うだろ。
「はいはい」
そう…今年の体育祭の手伝いを頼まれてしまったのだ。
元々生徒会のメンバーが少ない為(まだ生徒会メンバーがいるがサボってるらしい)作業が思いの外進んでいない。
そこで中学生の時に生徒会長をやっていた俺に手伝って欲しいと頼まれた訳だ。
しかし頼まれたのはいいし、俺は生徒会長をやっていた。
けど役に立たない気がするんだよな…。
迷惑かけないといいけど。
そんな俺の不安のある中、透の説明が始まった。
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