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「ほら早く済ませたいんでしょう?」
アルファ特有の人を見下すような視線にこめかみが痛む。逃げ場がなくなった小鳥遊は静かに床に膝立ちになった。意を決して岸本のボクサーパンツに手をかける。すると、カシャリと乾いた音が頭上から降ってきた。見ればスマホで写真を撮られている。
「……何をしている」
「何って記念撮影ですけど。ムービーも撮りますか?」
けろっとした顔で岸本が言う。小鳥遊はぐっと怒鳴りたいのを抑えた。感情的になれば相手の思う壺だ。目の前に鎮座するものをどうしようかと目で見つめる。すると、少しずつ反応し始めたのかボクサーパンツが膨らんでいく。
こいつ見られているだけで感じてるのか。
若さゆえだなと思いながら嫌々パンツを下ろす。ぶるんと岸本の剛直が現れた。そこそこにサイズがある。しかし驚いたのはそこではなかった。毛の生えていない局部に目を見張る。
「俺、脱毛してるんで」
意識高いでしょう? と岸本が続けて言うのを聞き流して口を開いた。濃い雄の匂いが鼻をつく。恋人にして以来一度もこのような行為をしていなかったからか、随分と下手になったように思う。しかし、頭の上では岸本が気持ちよさそうに吐息を漏らしている。
早くイかせて、早く忘れよう……。
そんな思いで舌を動かす。だいぶ具合がいいのか、岸本が小鳥遊の後頭部を撫でてきた。びくりと体が震える。誰かに触れられるのは久々でそんな自分に嫌気がさした。
「小鳥遊部長……」
「んぐっ」
甘い声でそう漏らすと岸本が後頭部を押さえて腰を動かしてきた。口に含んだものが大きく膨れ上がる。早くイけと急かすように舌を絡めると、舌先に熱い飛沫がかかるのを感じた。ポケットに入れていたティッシュに白濁を吐き出し口元を拭き取る。ねばつくそれがまだ口内に染み付いていた。早くうがいをしたい。
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