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「じゃあこれからどうしますか。ここに引っ越してきて一緒に住んでもいいですか。住み込みの方が楽なので」
ちょうど空いている部屋もあったので快諾する。やったぁと子どものようにはしゃぐ岸元を見て番になったことを後悔はしなかった。
これほど喜んでくれるならいいか……。
「じゃあ早速なにからしますか?」
「何って……落ち着いたんなら帰ればいいだろう」
「嫌です……寂しくて死んじゃいますよ俺」
おまえは駄々をこねる餓鬼か!
小鳥遊はやれやれと頭を振る。すると唐突に岸本が小鳥遊の肩を引き寄せた。背中に岸本の体温が広がる。
こいつ平熱高いんだな。
そんなことを思っていると、さらに後ろから強く抱きしめられる。
「部長……どうされたいですか? もう脅したりしませんから……部長のお願いならなんでも聞きますから言ってください」
「まずは離れてくれ」
「それはダメです。離したら戻ってこないでしょう?」
早く風呂に入って寝たい……。
手のかかる子どもだなと思いながら、目の前で組まれた腕を軽く叩く。
「今日はもう遅い。俺にも自由な時間をくれ」
「残念です……」
名残惜しそうに岸本の体が離れていく。空き室に客用の布団を引こうとするとその手を掴まれた。
「俺ベッドがいいです」
「じゃあ俺は布団で寝る……仮にも上司を差し置いておまえはベッドで寝るのか?」
違いますよとふにゃりと笑って岸本は言う。
「ベッドに2人で寝るんですよ。ダブルベッドなら2人でも寝れるでしょう?」
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