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「……なんで男2人で寝なきゃならないんだ」
「なぜって……俺たち番じゃないですか」
「理由になってない」
「俺決めましたから。引きずってでも2人で寝ますからね」
そう言う岸本を置いて小鳥遊はさっさとシャワーを浴びにいった。後ろをついてくる足音は聞こえなかったのでホッとした。
シャワーを浴び終えて寝室に向かうと宣言通りベッドの上に横になる岸本の姿があった。
こいつ上司の家でくつろぎすぎじゃないか?
ベッドサイドに腰掛けドライヤーで乾かした髪を櫛で整える。朝起きた時の寝癖をなるべくなくすためだった。その様子を岸本はじっと見つめてきている。
「部長の髪ふわふわしてますね」
「……急に触るな」
「だって綺麗なんですもん」
手を伸ばしてきた岸本に髪の毛を触られる。軽く撫でるような手つきを気持ちがいいと思ってしまった。はっとしてその手を振り解く。
「寝るぞ」
「はい。おやすみなさい部長」
枕元でふにゃっと笑ったかと思えばすぐさま夢の世界に旅立ってしまった岸元を見て吹き出しそうになる。小鳥遊もそっと目を閉じた。
誰かと添い寝するのもたまには悪くないな。
すぐ隣の温もりを感じながら深い眠りに落ちていった。
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