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47 部長を襲うのは楽しい R18

「ただいま」  部長が開いてくれたドアの隙間からするりと玄関に入り込む。外の空気と違って少し涼しいが、冷房をかけなければすぐに熱中症に陥ってしまうだろう。俺はリビングのエアコンをつけて手を洗いに向かう。冷蔵庫から取り出した烏龍茶を飲みながら午後のニュースを眺めていた。  するといつもはすぐにシャワーを浴びる小鳥遊部長がソファの隣に腰掛けてきた。強い視線を感じてテレビを見ることもままならない。ニュースの無機質な音声だけが耳をすり抜けていく。たまりかねてこちらから聞くことにした。 「部長。どうかしましたか? 会社でもずっと俺のこと見て──」  むにゅっと頬を掴まれる。そこから先は口が動かなかった。  しげしげと顔を観察されている。今日の部長はどこかおかしい。熱でもあるのだろうかと思っておでこをコツンと合わせると、部長の目の瞳孔が開いた。部長はぱっと手を離す。どうやら熱はないらしい。 「部長。なんか今日変ですよ」 「大仕事をして疲れが溜まっているだけだ」  ピコーンとある考えが頭に浮かぶ。俺はスーツのまま小鳥遊部長の膝の上に乗っかった。首の後ろに手を回して上から部長を見下ろす。気だるそうな瞳と目が合った。 「何をしてる」 「部長お疲れでしょう? 俺が癒してあげようかなって」  そろそろと片手を部長のベルトに近づける。そのままするりと抜き出した。かちゃかちゃと金属が擦れる音がする。その音が生々しい。 「なんだ」  このむっつりスケベめ。本当は何されるかわかってるくせに。にやにやと笑う部長の顔を歪めたい一心で部長の足の間に頭を埋める。スラックスのジッパーを下ろして、下着の上から鼻をすりすりと擦り付けた。汗で蒸れた下着から雄の匂いがむわっと広がる。それを臭いとは思わなかった。むしろもっと嗅ぎたいくらいだ。 「シャワーを浴びてからのほうがいいだろう」  衛生的に、と呟いて部長は立とうとする。それを引き止めて下着を下ろした。少し勃ち始めていたのか斜めを向いているそれをちろちろと舌先で舐める。部長の匂いに頭がくらくらとする。もっと近くで感じたくて舌を絡める。舌先にしょっぱいものが広がった。部長も感じてくれているんだとわかって嬉しくなって頭を動かす。 「っ」  頭上で息を飲むような音が聞こえる。部長の手を探り当て恋人繋ぎにした。ぎゅっと掴むとそれに呼応するようにぎゅっと力を込めてくれる。それが嬉しくてたまらなくて口に含んだまま上を向いた。部長が今どんな顔をしているか見たくて微笑んでしまった。それがいけなかったのだろうか。 「っは……」  どぷっと口の中に苦い液体が飛び散った。びくんびくんと震える竿を口から離すまいと含んでいると、部長の腰がぴくりと反応するのが見えた。部長イっちゃったんだ。いつもは遅漏なのに……。なぜか自分の体が熱くなる。 「……馬鹿野郎」  首根っこを掴まれて部長のものがずるりと口から溢れる。たらっと口端から垂れる白蜜を部長がティッシュで拭き取ってくれた。口内に残ったものは美味しくいただく。ああ、部長の味がする……。  耳まで真っ赤にさせた部長を見れるのはスーパーレアだった。ほんとは写真に撮って毎晩でも見たいがそれは許されないので心のシャッターを切る。腕で顔を覆ってしまったのでどんな目をしているかわからない。ほんとうは1番目が見たいのに。 むふふっと笑いながらシャワーを浴びる。部長のあんな反応初めて見た。なんか可愛いかも。自分より歳上の男性に可愛いだなんて思ったこともなかった。しかし、部長だけは特別だ。  いつもクールで何事にも動じないからこそ意外な一面を見るとギャップに萌えてしまうのだろう。体を洗いながら鼻歌なんかを歌ってみる。今日はすこぶる機嫌が良かった。夏季研修も部長と同室だし、今日は意外な一面も見れた。  だから忘れてしまっていたのだと思う。不定期にやってくる発情期という悪夢を。

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