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「大丈夫だ。おまえは悪くない。今は純粋に感じてればいい」  こくんと小さく頷くと岸本がそっと囁いてきた。 「後ろに蓋をしてください。部長のものが欲しくてたまらないんです。お願いしてもいいですか?」  恥ずかしそうに目を伏せながら言葉を紡ぐ岸本が単純に可愛らしいと思ってしまった。なぜだろうと思いながら既に昂っている怒張を岸本の入り口にぐりぐりと押し当てる。体液がローション代わりになって痛みはなさそうだった。慎重に腰を埋めていくと中のうねりが強まった。搾り取られそうな強さに腰が揺れる。それが感じるのは岸本は歯をきつく噛んでいた。血が出てしまいそうなほどきつく唇を結んでいるので、それを解すためにもう一度深いキスを落とす。ゆっくりと歯を開かせ縮こまっている舌を追いかける。ちゅくちゅくとした静かな水音が2人の間で生まれる。それに呼応するように小鳥遊は腰を揺らした。 「んっ……ふっ……あ」  強ばった岸本の体が緩んでいく。後ろだけは小鳥遊を離すまいとするように吸い付いてくる。中のしこりを押しつぶすように動けば岸本は高い声を上げて鳴く。 「はぁ……んんっ……」  岸本の手が小鳥遊の背中に回った。もう少し刺激が必要かと考えて小鳥遊は岸本を抱き寄せ体を反転させた。膝立ちになった岸本を後ろから突く。正常位では届かなかった奥に先端がぶつかるのを感じて小鳥遊も息をのんだ。発情期中にのみ開くオメガの子宮口の入り口に達しているのだとわかる。

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