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「うあっ」  悲鳴のような嬌声を上げて岸本が背中をそらす。逃げようとする腰を押さえてぐっと奥まで押しつけた。きゅうきゅうと締めつけてくるそこに挟まれ正直鈍い痛みが走る。小鳥遊は吐息を漏らしながら岸本の体を追い立てていく。 「うっ……あっ……んあ」 「っく」  一際きつく締めつけられた瞬間、岸本の体がびくんと跳ねた。小鳥遊も耐えきれずに白濁を放つ。今まで開かれたことのない最奥を熱いものが濡らしていくのを岸本は感じていた。前からもびゅっととめどなく精液が溢れシーツを濡らしていく。するといつもはまだ続く快感が嘘のように消えていった。ぐったりと力なくベッドに突っ伏した岸本に小鳥遊はそっと手を回す。 「……生きてるか」 「まあ、死んではいません」  死にたい気分ですけど、と岸本が続ける。 「まだ辛いか」 「それが嘘みたいに消えたんです。自分でも不思議です」 「それならいい。今夜はゆっくり休んだほうがいい」  そういうと小鳥遊は岸本を抱きかかえてシャワーを浴びせた。体液で濡れた体を丁寧に清めていく。岸本はそんな小鳥遊を見て目を伏せた。  神様みたいにいい人だな、この人って。  湯船に浸かりながらぼんやりとそんなことを考えていると体を洗い終わった小鳥遊が湯船に入ってきた。やや広めのファミリータイプの風呂に浸かるが、180センチもあるガタイのいい男2人には狭く感じられる。膝を合わせる形で正面に向かい合った。ちゃぷんと湯船が揺れる音だけが浴室に響く。何か話さなきゃと思って岸本は口を開いた。

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