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「お前はやんちゃな大型犬みたいだ」
「……大型犬は嫌いですか?」
少しむくれているのか、岸本の声が幼い。俺は布団を剥ぎ取ると、岸本の口に触れるギリギリで言ってやった。
「嫌いじゃない」
かぷ、と岸本の上唇を噛む。甘噛みされたことに驚いたのか、岸本の目はまんまるだ。その瞳が満月ように丸くて、煌めいていて。俺は柄にもなく愛していると大声で叫びたくなった。岸本が俺を狼だと言ったのも頷ける。
こうやって毎朝、岸本の寝起きの顔をいつまでも見ていたい。すぐ隣で、俺が触れられる距離で。
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