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 な、なんだこれは。  翌日のお昼。弁当箱を開けた瞬間に、小鳥遊の目に入ったのは真っ白な草原……ではなく、お米の原っぱ。弁当の隅から隅まで白米だ。日の丸なら梅干しが入っているはずだが、それすらない。  待て。これは白米の下におかずが入っている可能性が高い。岸本は俺の反応を見て楽しんでいるんだ。  ちらり、と岸本にばれないように顔を上げてみたがデスクに岸本の姿はない。不審に思って、佐久間に声をかける。 「おい。岸本はどこだ?」 「あー、手洗いじゃないですかね。あいつ、飯食い終わると歯磨きしてるみたいなんで」  じゃあ、俺の監視はしてないってことだよな……。じゃあ、いったいなんでこんな弁当を……。  唖然としていると、そのまま佐久間が小鳥遊の弁当を覗き見た。そして、ばつが悪そうに黙ってフロアを出ていってしまった。  佐久間。言わなくてもお前が考えたことはわかる……「あれ。部長、修羅場ですか?」だろ。  まあ、底まで行きつけば唐揚げやら枝豆やらが入っているだろう。  そう思って、黙って食べ進めていたのだが…… 「!?」  おかずが、ない、だと。岸本、これはどういうメッセージなんだ。  小鳥遊部長は白米弁当を食べて、残りのお昼時間は悶々と過ごしましたとさ。

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