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第9話 愛撫(2)(*)
「え……? ──やっ……!」
藍沢の舌の、ただ熱い接触にひくんっ、となり、颯太は恐慌状態に陥った。
「ダメ、ッ……ダメ、だって……言っ……っ、ぅぁ……!」
藍沢にあらぬところを舐めさせている事実に、颯太のボルテージは急上昇した。同時に、自分でも信じられないような甘い声を上げて、無意識に腰を揺らめかせてしまう。
「あ、あ……ぁあぁ……っ、ゃ、あ……っ」
藍沢は、精液でぬめり、なおきつく閉じた後孔に舌を差し込み、小刻みに動かしながら、辛抱強くそこが緩むのを待った。
与え続けられる快楽に、颯太がひくりと痙攣する。その隙に、アナルパールをひとつ、またひとつ、と挿入される。
「ぁ、ぅ……っ、苦し……っ」
「苦しいだけですか?」
「ちが、やぁ……っ」
「鍵咲さん。努力目標、クリアできそうですよ」
飛びそうな意識を繋ぎ止めるように、藍沢に言われる。
「はぁ、っ……」
「どう、ですか?」
ひくつく後孔に入ったそれを、無意識に締め付けてしまう。一度、その形をありありと知ってしまうと、性器がドクドクと疼き、硬度を増した。
こんなに淫らで、どうしよう。
こんなに、欲しくて……。
藍沢の触り方はあくまでソフトなのに、颯太の屹立は痛いほどに張り詰めている。後孔に埋められた玩具が良い場所を刺激して、これ以上は飛んでしまいそうだった。
「少し、出し入れしてみましょうか……?」
ゆっくりと慎重に引き出されたアナルパールのせいで、身体の奥を稲妻が走る。
「ん、っ、……っ」
ひくつく後孔は、引き出されたパールが戻るのを歓んで飲み込み、受け入れる。
「ぁ……ぁあぁ……っ、ぅぁ……っ」
アナルパールが元の位置へ戻されるたびに、甘い快楽が湧き出て、もう一回、もう一回と颯太は欲しくなった。
(それ、もっと……っ)
悦すぎてまともに返事ができないまま、内腿が震え、射精の欲求が急速に増大する。だが、決定的な刺激がなくて、ずるる、にゅるる、と抽挿を繰り返されるだけでは、蕩けるだけで、いくことができない。
もう少しの刺激が欲しい、と思った時だった。
「スイッチ、入れますね」
途端にカチッと音がして、バイブレーション機能がオンになり、ヴヴッと颯太の中を振動が犯してゆく。
刹那。
「っぁあぁぁーっ……!」
目覚めるように押し上げられた大きな波を感じながら、颯太は視界に純白の闇を見た。
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