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第30話 結腸責め(2)(*)

 臨戦態勢のものが飛び出し、颯太を躊躇させる。サイズが長大で、先日見た時より、ひと回りは大きい気がした。  手を伸ばしたら拒まれるだろうか、と怯んでから、そっと藍沢の昂りに触れる。すると、息を呑んだ藍沢が、颯太の手に手を重ね、促した。 「……触って。あなたが欲しい。颯太さんも、俺を欲しがってくれてますか……?」 「ぁ……、ぁ……っ、──……好き」  言いながら、もっととねだる。ただ与えられないだけのことが、こんなにつらくて悦いだなんて、知らなかった。 「好き? 主語は?」 「っきみ……」 「俺が? 俺のどこが、好きですか?」 「っ……これ、これ、が……っ、きみが、きみのこれも、好き……」  言うたびに、羞恥心が発汗した肌に滲むんじゃないかと思う。恥ずかしがりながら、素直に応じる颯太に、藍沢は少し意地の悪い笑みを浮かべた。 「エッチですね」 「っ」 「颯太さんは、俺のこれが好きで、エッチでエロくて……、入れて欲しい? それとも最初は、口でして欲しい?」  舌なめずりしながら言われて、颯太はこくこくと頷くことしかできない。藍沢と何度かしたあとで、された口淫を思い出させられる。恥ずかしくて、いやらしくて、目眩がするほど悦かった。あれが欲しい、と思う。 「あ……っ、ぁー……」  藍沢は困らせるようにして、颯太の先端に口づけした。全部を口に含まず、亀頭だけ導き入れ、鈴口を舌で刺激されると、引き攣れるような快感に襲われる。 「ふ……ぁっ」  出すまいとした声が出てしまい、喉の奥で屹立をこすられると、もうたまらなかった。 「ぁ! っそれ……っ、だめ、だ、だめ……──〜〜っ!」  最後は手首を噛んで声を殺そうとしたが、呻き声とともに達してしまう。 「ぁ……はぁ……っ」  立て続けに二度も激しく上り詰め、絶頂から降りる間も与えず、藍沢は颯太の後孔へ、口内に受け止めた精液を塗りつけた。 「腰、揺れてますよ……?」  精液の助けを借りて、ぬぐぐ、と侵入した指は、すぐに颯太のいい場所を探り出す。揉み込むように刺激されると、颯太は息をするのもつらいほど感じてしまう。 「もっとよがって。俺を欲しがってください。ここ、いいの覚えてますか? あなたはここをこうすると」 「ぁぅ……!」 「いつもいい声で啼くんです。たまらない」  増してゆく快感に、颯太は畏怖を覚えるほど溺れた。藍沢とは最後までしたことはなかったが、何度も擬似的な行為をしてきた仲だ。その過程で身体が悦さを覚えて、早くひらかれたがっている。 「ぁっ、ぁあ……っ、お願い、も、指、いい、から……っ」  体温が上がり、汗をかいた身体が震える。藍沢は颯太がワンドに反応した場所を覚えているらしく、そこら中に噛み跡を残し、指と舌で愛撫を繰り返した。

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