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第30話 結腸責め(4)(*)
藍沢は颯太の片足を肩に担ぎ上げ、松葉崩しのように入れ子の体勢になると、さらに深く腰を打ち付けてきた。
「っあぁぁっ!」
奥がわなないて、藍沢を無意識のうちに締め付ける。それだけではなく、抽挿のタイミングに合わせ、内壁が収縮と弛緩を繰り返し、蠢きはじめるのがわかったが、颯太自身にも止められない。
「ゃ……! ぁぅっ! な、にこ、れ……っ! やぁっ、あぅ、うぁんっ! 奥、っ奥だめ……っ! しな……っ! ふ、ぁあぁぁっ! ひぅっ、ひぃっ……!」
じわじわと真綿を締めるように出し入れを繰り返していた藍沢が、次第に動きを速めて、颯太の中をあますところなく犯す。快感に耐えられなくなった颯太が泣き出すと、つらそうに顔を歪めながら、颯太の髪を梳き、額や目尻にキスの雨を降らせた。
「ごめんね、颯太さん。怖いよね……? 俺も少し怖い。たぶん、颯太さんの十倍は怖くて、百倍は欲しい。だからもう少し、我慢して……?」
「なんっ……も、い、……っ、ぅ、ひくっ……も、無理……むりぃ……っ」
「大丈夫……絶対、壊さないようにするから」
「あ……っ、あぁ……っ」
円を描いていた抽挿が、次第に肌を打つものに変わってゆく。やがて奥まで入っていたものが、亀頭だけを残し、ずるりと引き抜かれたかと思うと、また同じ速さで最奧へと穿たれた。何度も、何度もそれを繰り返される。
もう、声も言葉も出てこなかった。
「はぁっ……! はぁ! あっぁあ! はぁっ……!」
「颯太さん……っ、挿れるよ……!」
その短い言葉とともに、さらに深く藍沢が突き上げてきた。
「っ……~~──!」
刹那、身体がバラバラになるような衝撃とともに、奥にぐぐっと何かが挿入った感覚がした。
「ぁ……──」
その時、今まで感じたのとは全く異種の悦楽が颯太の身体を稲妻のように過ぎった。
びくびくと震えながら、必死で藍沢をかき抱く。藍沢も苦しいのか、悦いのか、表情を歪めて颯太を抱きしめた。
絶頂の高みに上り詰めたような感覚に支配され、息が止まり、小さな死が訪れる。
「っ……はぁっ……!」
目の前を白い闇が、パチパチと弾けるようにして散ってゆき、やっと息ができるようになる。
「いった……っ」
藍沢が確信を持って呟いたとおり、刹那、颯太は達していた。
そのすぐあとに、藍沢の質量のある熱を受け、颯太はゆっくりと、蕩けていった──。
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