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第6話

 時計の針が夜中の1時を指したところで、莉良は目を擦った。とにかく、なんとかしなければ。そう思って、頭の中に思いつくだけのワードをとことん検索していく。『村おこし エージェント』とわけのわからない言葉を検索したところで、我に返った。が、気になる文言を見つけて食い入るように見つめる。 《人材派遣会社 ウェルム   様々なスキルを持つ社員を派遣し、みなさまの問題を解決していきます。ご相談は以下の無料相談チャットまで。》 「もうこれに頼るしかないっ」  莉良はカタカタとキーボードを叩く。チャットは24時間運営しているらしく、数分もせずに返事が来た。村おこしを手伝って欲しい旨を伝えると、社員の1人を紹介された。 『はじめまして。ウェルムの派遣社員 宗方(むなかた)と申します。櫻川様のお力になるべく誠心誠意つとめさせていただきます。まずは、梶山村にご訪問し問題の根本を見つけていきたいと思っております。ご都合のつく日を教えて頂けましたら、こちらから向かいますのでご返信よろしくお願い致します』  変な業者とかじゃないよな? 莉良は何度も本社情報をチェックする。うん、実績もあるみたいだし大丈夫だろう。変な会社だったらつき返せばいいだけだし。

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