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第13話 『りらくんの村おこしチャンネル』開設
「櫻川さーん! チャンネル開設おめでとうございます。これ、私たち村役場のみんなからのプレゼントです」
「んぇ?」
翌日、村役場に顔を出すと中野が薄い正方形の包みを手に莉良を待っていた。他の職員は仕事中なのか役場の中にはいない。みんな出払っているようだ。村役場の仕事は様々で、村人たちの困り事を解決したり、里山の整備などをしている。莉良は村おこしプロジェクトのリーダーとして宗方と二人で行動している。
「えっ、いいんですか?」
莉良の胸の内がぽかぽかと温まる。中野に笑顔で手渡された包みを開くと、中には洋菓子の詰め合わせが入っている正方形の缶ケースが見えた。
「わ。おいしそう……!」
さっそくリーフパイを手に取る。個包装されているのを開いて、ぱく、と口に含んだ。ざらめのような大きいシュガーが口の中で弾けて楽しい食感がする。
「喜んでもらえて良かったです。ここ最近、村おこしプロジェクトに専念している櫻川さんのこと、村役場のみんなは応援しているのでそのほんの気持ちです」
「ありがとうございます。すごく嬉しいです。でも……ひとつ気になることがあって。チャンネル開設って何ですか?」
莉良の問いにはさっそうと現れた宗方が中野の代わりに答えた。不意打ちで村役場の玄関から入ってきたので、莉良の小柄な身体は飛び上がるくらい跳ねた。それを見て中野はくすくすと忍び笑いを洩らしている。
「『りらくん』の公式村おこしプロジェクトで使用する動画投稿サイトのチャンネル名です。正式なチャンネル名は『りらくんの村おこしチャンネル』と決めましたが、いかがですか?」
すごい。撮影からたったの2日でもうチャンネル名も決まってるのか。
莉良は感心しながら大きく頷いた。
「宗方さん。本当に何から何までありがとうございます。俺は昨日休みをもらえましたけど、宗方さんはお疲れじゃないですか?」
「ご心配なく。もともと身体は丈夫なほうですし。1日でも早く櫻川様の立ち上げた村おこしプロジェクトを達成したいですから。お気遣いありがとうございます」
宗方の言葉に安堵して、そのまま二人で打ち合わせのために会議室へと向かった。
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