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第14話
颯爽とした足取りで、宗方が会議室を出ていく。大股で足早だ。莉良はすっかり置いていかれた。こじんまりとしていて、年季の入った会議室にひとりぼっち。追いかける余裕もなく、ただ呆然と宗方が出ていった入口のドアを眺めていた。
翌朝、いつものように村役場の受付で朝の挨拶をする。
「おはようございます」
「櫻川さん! 昨日の見ました。ナイスアイディアですね」
村役場の受付をしているパートさんの中野(なかの)さんが、珍しくきゃっきゃっとして声をかけてきた。ちなみに、中野さんは今年28歳を迎える受付さんだ。梶山村が地元らしく、ここで長く働きたいのだと言って都内の大学を卒業後、梶山村に戻ってきたのだった。
昨日の? なんのことだ。莉良は首を傾げた。すると、中野さんは自身のスマホを見せてくれる。そこには、毎朝鏡の前でよく見る人物が映っていた。
「わたし、ペラッター好きでよく見るんですよ。昨日、ぼーっと見てたら櫻川さんが出てきて……もうびっくりしちゃいました。心臓バクバクです」
ペラッターとは、独り言が呟けるSNSだと聞いている。自分はやったことがないけど、かなりのユーザー数がいるのだとか。莉良は中野さんのスマホを掴み取る勢いで写真に見入った。
初めての投稿らしい。
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梶山村役場公式ペラッターはじめました。
村おこしリーダーの職員をパシャリ。やや緊張気味のようです。村おこしのメインプロジェクトについて進捗やお知らせをしていきます。これから、よろしくお願いします!
梶山村役場公式ホームページ
「htpps/98/moqmop」
【莉良がカメラに向かって、ちょっと笑ってる姿。顔はひきつり気味】
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