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第32話

「グリフ……」 「ん?」 「あの、しないのか?」 「今してるよ」 「うむ……」 グリフは少し笑ってしまった 愛しい男の頬に口づけして髪を梳く グリフは先ほどからディラの身体を慈しむように撫でているだけだ ディラにしてみればまだるっこしいのかもしれない 「愛してるよ、ディラ」 「私もだ。だから、愛し合おうと」 「身体を繋げればいいわけじゃない」 「うむ……」 「俺のためにずっと大切にしてくれていたんだろう?この身体」 「そうだ」 「ゆっくり全部、俺に愛させてくれ」 「さっきから、おかしな気分で」 「そうか。どんな気分だ」 「……身体が、その、興奮してる」 「ああ」 「気持ちは、グリフを欲しがってる」 「嬉しいよ、ディラ。俺の何が欲しい?」 「その手で、撫でて、口づけを全身に……考えただけで、ドキドキする」 「そうか」 グリフはほんの少し愛撫を施していた彼の首筋に本格的に吸いついた ディラはビクンと身体を強張らせて両手でグリフの肘の辺りを掴む 滑らかな肌は香油とは違う微かな甘い香り グリフは鼻を鳴らしながら口づけては吸いあとを残していく 「あっ……」 「ディラの全身に、俺のあとを残したい」 「好きに、してくれ」 「ディラ」 「もうよくわからない……グリフのことしか、考えられないのだ」 「ディラ……」 「もっと、そうなりたい」 熱い息がかかる距離でそう囁かれる グリフは俺もだ、と返してそのまま唇を重ねる ディラの腕に引き寄せられるがままに深く口腔を交わらせる 舌で歯で愛撫して ディラとの口づけに酔いしれた ディラが好きだという手のひらでゆっくりとわき腹を撫で 可憐な風貌の割にはよく引き締まり硬い筋肉に覆われた腹部の感触を確かめる グリフの大きな手で左右から掴めば 両方の親指がへその近くまで届くほど細い腰 そのままするすると撫で上げて胸筋の張りを親指の先で楽しんで その少し上にある突起に指をかけた 「あんっ」 おい! どっからそんなかわいい声出た!? 期待を裏切らないって最高ですね! ディラの声は甲高いわけではない グリフの鍛えられた野太い声とは違うけれど 少なくとも立派な男声で 話す内容や仕草がかわいいだけだ なのにその声はグリフの下半身と脳を直撃する 「あの、グリフ」 「ん?」 「習っていても、なんというか」 「ん?」 「その、そこがそのような状態に、なる場合もあると」 「ディラ、何を習ったって?」 「だから……っ」 白く輝く肌の上にあるわずかに桃色をした二つの突起 小さくて滑らかで色も薄くて存在感がない グリフはそれを親指で触れるか触れないかといったタッチで撫でている ディラは身体を強張らせて耐えようとしているけれど 我慢しきれずにピクンピクンと震える 「そこが、気持ちよくなる者もいると、習った」 「そこって?」 「今グリフが触っているところだっ」 「ああ、ここか」 「あんんっ!」 グリフのいたずら心が疼いてディラの乳首をくっと親指の爪で押した 途端に弾かれたようにディラが声をあげる やばいやばい なんなんだこの愛し甲斐のある身体はっ グリフは再び優しくディラの乳首に触れる 「痛かったか?すまない」 「自分で、何度も試したのに……」 「自分で何度もここを弄ったのか?」 「そ、うだ。触れられて気持ちいい箇所は多い方がいいから」 「それも後宮で指導を受けるのか?」 ディラはきゅっと唇を引き結んでコクコクと頷く グリフは変わらずゆるゆると両方の突起を撫でている まあ確かにいざという時にどこも開発されていないのでは 陛下のお手を煩わせるか 陛下につまらない思いをさせてしまうかも知れない 後宮に仕える者の務めとしては切実だ 苦痛しかないようでは続かない 後宮のそういう座学を受けてみたいような気もするな 「ダメだったのに、グリフが、グリフにされると」 「気持ちいいか?」 「うむ……」 「どんな風に?」 「ゾクゾク……?ジンジン……?なんだか、そこが大きくなったような」 「小さいままだぞ」 「だから、そんな気が……!!」 小さいその粒をグリフが指先でそっと摘む ぷくりと膨れるまではまだ少し愛撫が足りないだろう もっと可愛い色になるまでじっくりと そう考えていたら首に回されていたディラの腕が解け グリフの片方の手を両手でギュッと捉まえた 「グリフの手に、秘密があるのだろう!」 「ぅえ?」 ディラは頬を赤くしながら涙目で グリフの手を自分の顔のそばに寄せて一生懸命検分している グリフは片方の手で愛撫を続けながらディラの無邪気な行動にふふふと声を出して笑ってしまった 「秘密は見つかったか?」 「ううむ……」 「大きいだけだよ」 グリフの手は身体が大きい事を考慮してもまだ大きい そして軍人らしく皮膚は硬く分厚い ディラはその手を両手で裏返したり撫でたりしながら首を傾げ 思いついたように突然、親指を口に含んだ 生暖かい舌がねっとりと指を舐めまわす 指先という意外な箇所への愛撫にグリフの息子くんはぐぐっと勢いづく 「ディ、ディラ」 「ここが硬くて、指紋……?ザラザラしてるから」 「う、うん」 「だからグリフがすると感じるのだ、うむ」 ディラは口からグリフの指を出し 真面目に解説を交えながら舌先で親指の腹をぺろぺろと舐めて見せる しかもグリフの目を見つめながら見せつけるように 本人無意識かもしれませんけど完全にそれ擬似口淫っす! 息子くんが泣いて悦んでます!! むしろもう一回さっきみたいにして欲しいと泣いて頼んでます!! 「……そうかな」 「そう。グリフの指がずるいのだ」 「ディラの指は、どんなだったかな。俺にも確認させて」 「私のは、あまり硬くない」 ディラがグリフの唇をするんと撫でて 白く細い指をグリフの口の中へ差しいれた グリフは両手で乳首を少し強く撫でながら 口の中で器用にディラの指を舐めねぶり始める じっとディラの綺麗な紫の目を見つめながら 「ん……グリフ、あの」 ゆっくりと指を抜き差ししながら舌を這わせて クリクリと乳首をこね回しながら音を立てて 指の股にも舌先を当ててくすぐる ディラは薄く口を開け グリフから目を逸らすことも出来ずにされるがままだ 時々思い出したようにこくんと喉を鳴らしてつばを飲む その表情が扇情的で グリフはディラの指を解放すると喉のふくらみを舐めまわした 男だと生理的に恐怖を感じる場所 そこに優しく歯を当てて強張るディラを慰めるようにねっとりと舐め上げる 「グリフ、グリフ……」 「愛してるよ、ディラ」 「もう、いいのでは、ないのか。逸物を」 「欲しいか?」 グリフは顎の裏辺りに口づけをしそのまま滑るように耳の後ろにもちゅ、と吸い付いて囁いた ディラは黙り込む きっとまたよくわからないのだろう 「ディラ」 「愛し合いたい。グリフと」 「俺もだよ。なあ、ディラ。身体とこころはあんまり離れていないのだ」 「うむ」 「こころの底から俺が欲しいと思ったら、身体もそうなる」 「私の身体ではダメなのか?」 「ダメじゃないよ。ただ急ぐ必要もない」 「早く欲しいと思っている。今すぐ」 焦らしたいわけではない 忙しなく終わらせたくないだけ だけどディラが求めてくれるのなら いたずらに時間だけをかける必要はないだろう グリフは愛してるよと真剣に言い 優しかった愛撫を追い詰めるようなやり方に変える 小さく控えめなままの乳首にむしゃぶりつき ディラの性器に手を添える 空いた方の手は小さな乳首を大きくするかのように 引っ張ったり押しつぶしたりしながらその柔らかさが変化するのを楽しんだ 「は……はぁ……!あ、グリフ……!」 「ディラ、かわいい……気持ちいいか?」 「あん、あ、そんな、あちこち」 「ゆっくり触りたかったんだぞ?ディラが欲しい欲しいとねだるから」 「わ、私が、ねだっ……」 「嬉しくて、あちこち一気に触りたくなった。ディラ……もっとねだって」 「ねだって、なんか。そんな、はしたないこと」 「はしたなくなんかない。欲しいものは欲しいと伝えて」 「グリフが……!」 「俺もディラのすべてが欲しい」 再会したあの日 彼と初めて交わした口づけを思い出す めまいを覚えるような気分で彼を抱き寄せ ああ、あのときも甘い匂いを感じたな あれから何度も何度も愛していると囁きながら口づけた そして一番濃厚で優しく甘い口づけを今 「ぁん……」 グリフはたっぷりとディラの口内を味わってから 彼をうつ伏せにして背中に舌を這わせた 美しい銀髪が隠すうなじにも髪をかき上げて柔らかく噛みつく ディラは震える手で掛け布を握りしめ グリフの愛撫に無意識に首を振っている サラサラとキラキラと髪が揺れる 「ディラ……ディラ」 「あん……はぁん……ああん!」 「ディラ……俺、すごく興奮してる。ディラを抱きたい」 「抱いて……グリフ」 「ああ」 小柄ではないけれど華奢なディラはグリフの胴にすっぽり覆われてしまう 背中越しにかわいい乳首を弾きながら ゆっくり性器を扱く ディラは大きな枕に顔を埋めて肩に力を入れている グリフはその肩にも唇を寄せる 「ディラ、どんな顔してるか見せて」 「ううう」 「隠さないで。全部見せて」 「ううう……」 観念したかのようにディラは少し横を向いて 頬の辺りをグリフに見せる きゅっと閉じた目の端に涙が流れている グリフは彼を抱き起こして 座った自分の太ももに跨らせて背後から抱き締めた ディラはくたりとグリフの肩に頭を預けて 大きく脚を開いて膝を立て 荒い呼吸で胸が上下している 大柄なグリフはそれをディラの肩越しに眺めた 乳首は色を濃くしてその存在を主張し 性器は張り詰めて脈打つように震えている グリフはそれを握ったままディラの乳首をまた弄り始めた ディラが感じて仰け反れば仰け反るほど その表情がグリフによく見える そのたびに唇を塞いで舌を強く吸った そしてそのたびにディラはグリフの腕を強く掴んで応えた 「グリフ、グリフ……!もう、あぁ……!」 「なあ、ディラ……誰かの手で、イカされたことはあるか?」 「イカ、され……?」 「絶頂を味わわされたことは?」 「ない、そんなの、誰にも」 「後宮では、本当に座学だけなのだな」 「んぁ……!だから、グリフの、手が……!」 「そう、俺の手でディラをイカせてあげる」 「あっ!あぁ……っ!!」 性器への刺激はあくまで優しくゆっくりと ピンと立ち上がって硬くなった乳首には強めの刺激を与える 左右順番にキリキリと摘み上げては優しく撫で こんなに硬くなってるよと囁きながらクリンクリンと捏ねる ディラは両手を挙げて背後のグリフの首や顔に手を回し 暴れる自分の身体を持て余すようにしがみつく 「うぁ、はぁ……!グリフ、あ、もっと……!」 緩慢なグリフの動きに不満を表すように ディラは躊躇いながらも大きく腰を揺らして 自分でグリフの手に性器を擦りつけようとする あぁ……すっげ、たまらん 初めてのくせに乱れまくっちゃって…… 誰にも触れられたことのない身体 それを示すかのように真っ白な肌には グリフが残したあとがあちこちについている 知識だけはたっぷり学んでいて 自分で後孔を慣らすこともできるのに 口づけさえ知らないかわいいディラが グリフの目の前で初めて人の手で達そうとしている 声も動きも扇情的でずっと見ていたい このまましばらくイカせずに ああ……泣いちゃったな ディラは半分閉じたようになっている目から涙を零した 「はぁ……グリフ、グリフ……!」 「ディラ、俺の大事な婚約者……さぁ、出して」 これ以上泣かせるのは愛がない グリフは自分の指をディラの口へ入れて中を緩くかき混ぜて ディラの唾液をたっぷり絡め取ると その濡れた指ですばやく乳首を擦り始めた 上へ下へと弾かれ続けてそこはあっという間に熱く強い快感を生み 同じくらい早く性器を扱き上げる 「やぁぁ……!!はぁっ……あぁッ!んあぁぁ……!!」 ディラがグリフの肌に爪を立てて 大きな声をあげた その瞬間手の中の彼が弾けて熱い体液が手に流れ 飛沫はディラの腹へ飛び散りとろりと筋を作る 「は……はぁ……あ・あ……」 グリフの腕にがっちりと抱き締められて 立てた膝を震わせて背中もビクビクと波打たせて ディラが絶頂の余韻にどっぷりと浸っている えろーい…… 汗に張り付く銀髪とか本当に綺麗だ…… 唇を噛んだな、赤くなってる 乳首を噛んで赤くしたのは俺だけど 脱力し長く深い息を何度も吐くディラの身体を グリフは寝台にそっと横たえた 手に流れる彼の精液を舐め取りながら ちらりと枕元に目をやる 「……ディラ。香油はまだあるか?」 うっとりと上気した顔でディラは小さく頷き 視線でその場所を伝える そこには見たこともないほど精巧な細工を施された香油瓶が載っていた グリフはそれを取り中身を手のひらに出す 香油自体もすぐに高価だとわかる代物だった どちらもマディーラには相応しい 「グリフ……私は」 「気持ちよかったか?」 「……うむ、なんだか、もう、熱くて」 「ああ……汗をかいているな」 「熱いのだ。その」 「確かめさせて、ディラ」 「そうして欲しいと、私も思った」 グリフは軽くディラの唇に吸い付いて 香油で滑る指をディラの後孔に伸ばした

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