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第34話

あ~最っ高…… グリフはディラの中に愛を注いで そのまま彼を強く抱き締めていた ディラの甘い吐息が耳元にかかる しがみついてくる指が震えているのを感じる そっと身体を起こして グリフはディラの中から自分自身を引き抜いた ゆっくり優しく その動きにさえディラは身体を捩る よかった、ディラも気持ちよさそう それに満足しながら抜ききる まだまだ萎えない息子くんは反動で自分の腹に当たるほど反り返っている 自分の出した白濁となんだかんだでドロドロだ ディラの孔は小さく収縮し 閉じきらないそこからは同じようなドロドロが垂れている 溜まってたしなぁ…… グリフはその雫を指先に絡め 追うようにディラの中へ指を沈めた 指が溶けるように熱い ディラは息を呑んで身体を強張らせた グリフが中で軽く指を動かしただけでまたイってしまったようだ 過剰な絶頂は苦痛だろう グリフは指を抜いてディラを優しく抱き締める 「ディラ……大丈夫か」 ディラは赤い顔をして力なく首を横に振った 掠れた小さい声でもうダメだ、と呟く グリフはその唇に軽く吸いつく 初めての交わりは悪くない結果のようだ 少なくともお互いに快感はあった 愛を囁きながら注ぎ合うのはなんて気持ちいいんだろう 「グリフ……」 「うん?」 「もう、よいのか」 「へ?」 「グリフが満足するまで、私を抱いていい」 「ディラ、俺は満足だよ。ディラと身体を繋げられて嬉しい。ディラは、いかがだった?」 「……うむ。グリフを愛して満足させるつもりだったのだが、すまぬ……予定よりも、身体がなんだかどんどん暴走してしまって」 「謝る事ではないよ。気持ちよかったか?それとも嫌だっただろうか」 「嫌ではない。でも、慣れなくて……少し、怖かった。少しだけ」 「そうか……至らなくてすまなかった。俺も少し暴走した。ディラ……ディラが欲しくて我慢が利かなかった」 幼いあの日 純粋にこころから一緒にいたいと思った その気持ちは長じるに連れて変化したけれど 愛しさは大きくなり彼に焦がれてきた そんな大切なマディーラに求められる喜びは格別だった しあわせと愛に満たされる 「グリフは、今までいろんな人とこの様な時間を過ごしてきたのだろう」 「……わからない。確かにこういう事はしたけれど、こんな時間だったかは」 「私にはもっとわからぬ。ただ、出来れば私が劣らなければよいと願うしか」 「ディラは劣ったりしない。俺はディラと誰かを比べたりしない。ディラ、愛している」 「……こころが狭くても?」 「かまわない。ディラのこころが狭くても広くても、俺でいっぱいなのは変わらん」 「……そうだな。ひとつだけ、いいだろうか」 「なんだ?」 「できることなら、私だけを、これからは」 「当たり前だ」 不安げに申し訳なさそうに ディラは何を言い出すのだろう あなたを手に入れた今、他の誰かを愛したりはしない グリフは身体を起こして寝台に胡坐をかき ディラをそこへ座らせて抱きしめた 彼の重みが心地いい 「ディラ……信じて欲しい。俺はディラ以外にもう愛を囁いたりはしない」 「うむ」 「こころも身体も何もかも、ディラのためにある。身体を繋げるのも、誓ってディラだけだ」 「うむ」 「ディラは、それを当然だと思っていい。グリフォードは、マディーラのものだ」 「……うむ。嬉しい、ぞ」 「ディラが嬉しいのが俺は嬉しい。もっと喜ばせたい。ディラの笑顔が欲しい」 「グリフも、欲張りだ」 「仕方ない。愛を知ればそうなるものだ」 涙も笑顔もすべて俺のものに そう願うのは愛しているから 微笑み合いながら何度も口づけし 美しい婚約者を腕の中に感じる 「グリフ……まだ、硬い」 「え?ああ……まあ、興奮してるからな」 「抱いて、くれ。グリフの気が済むまで。何度でも、中に注いで」 ディラが恥ずかしそうに肩におでこを押し付けてくる グリフはその様子に鼻の下を伸ばしながら彼の髪を撫でた 「ディラ……いいのだ。俺は」 「私は何も知らない」 「え?」 「グリフは何でも知っていて何でも出来るけれど、私は足りないことばかりだ」 「そんな事はない」 「でも、背伸びをしたってしかたがないから」 グリフは少し焦ってディラの顔を覗き込んだ くったりとグリフに身体を預けるディラは幼く見えた グリフはその頬を優しくつつく 柔らかい感触 「私には、後宮で学んだことしかわからないのだ。グリフには、そんな私は頼りなく思えるかもしれないけれど」 「ディラ、俺はディラを傷つけたか?そんな風には」 グリフはいよいよ慌てた 後宮でのちょっと変わった授業や慣習を否定してしまっただろうか それでディラを不愉快に? 「グリフを、愛してる。だから、十分ではなくても私の知っている限りの愛し方でグリフを求めるしかなくて」 「十分だよ。ディラが俺を愛してくれているだけで、舞い上がるほどだ」 「……抱いて、グリフ。そう習った。愛する人が、どこへも行かないように」 「俺にも……教えて?」 「ここが、元気じゃなくなるまで、全部出して」 ディラの手がグリフの息子くんをそっと握る 手が汚れるぞと言おうとしたけれど ディラは真剣だった 「私に、溺れて欲しい。私以外に出さないで」 「そう習ったのか?」 「……今、知識としてではなくそう願ってる。こころの底からグリフが欲しい。出されたとき……すごく、満たされた」 後宮にいる人間の最大の目標は国王陛下の寵愛を得ることだ 出来ることならばそのすべてを自分だけに だから機会があれば自分の身体に溺れさせ 何もかもを搾り取ってしまおうとする 他の者に気が移らないように そんな気にもならないように 自分から離れてしまわぬように 身体で相手を繋ぎとめる そのために性技を磨く 「愛してる、ディラ」 「私もだ」 「もう俺は、ディラ以外には勃たないと思うぞ」 「……そんなのは、男だからわからぬ」 「そうだろうか」 「そうなのだ。だから、全部貰う」 「わかった」 身体だけならそうかもしれない だけどグリフはこころもディラに捧げている いつかディラにもわかるだろう どんなに他の誰かに迫られてもディラ以外に気移りすることはない それでもディラが心配なら 安心するまでいくらでも愛を注いでやりたいと思う 「ディラはどうなんだ」 「え?」 「俺以外の誰かに、ディラが気を移すことがないとは言えないだろう?男なのだから」 「それはない」 「なぜ」 「後宮の出を、見くびってはいけない」 「……そうか」 「そうだ」 なぜディラがドヤ顔なのかわからないけれど 彼がそう言うのだからそうなのだろう グリフは笑ってしまった ディラは何故笑うのだとムッとしている すまないな、と謝りながら彼の尻を撫でる 「嬉しくて……ディラが俺を欲しがってくれるのが」 「ならば、よいが」 「ディラの身体が俺で暴走してくれるのが」 「グリフ、あの、私が言い出したのだけれど、手加減を」 「難しい事を言う」 「それなら口で」 「ダメだ。ディラ……ここに、入れたい」 「私だってそこに欲しいけれど……」 グリフの息子くんはグンと力をつけた ディラはその変化を手のひらで感じて驚いている グリフの指がディラの尻の双丘を割り指をそこへ這わせている 「ディラ、腰を上げて……そう」 「あの……グリフ、優しく」 「もちろんだ。ディラ……優しくする」 「う、うむ」 グリフの肩に手をついて自分を支えながら ディラが身体を持ち上げてみせる グリフは自分のを握りディラの後ろへ宛がう 緊張に震えるディラに微笑みかけた 「おいで、ディラ」 「ああ」 「ゆっくりだ……できるか」 「……どう、だろうか」 ディラは腰を落とそうとして グリフの切っ先がわずかに身体に入ったところで止まってしまった 痛いのだろうか? そう聞けば首を横に振る 「痛くはないのだ。でも、その」 「隠さなくていい。怖いか?」 「……うむ。さっきのように、どうにかなってしまいそうに、なるのだろうか」 「嫌か?」 「よくわからない、のだ。ただ、自分の意志で何も止まらなくなる」 「俺もだよ。ディラが欲しくて、ディラが乱れるのを見たくて、自分もどんどん気持ちよくなって」 「み、みだれ」 「乱れるディラはたまらない。俺が抱くから乱れるんだろう?本当に、たまらんよ」 「知らぬ。グリフ以外でも、そうなるかも知れんぞ」 「そうか。では、しっかり仕込まねばな」 ディラは恥ずかしまぎれに可愛くない事を可愛く言い放つ 自分にヤキモチを妬かせようとしているのだろうか グリフは頬が緩んだ ディラは必死で怒った顔をして見せている 「グリフは、時々すごく意地悪だと思うぞっ」 「そうか?そういう時は、ディラが素直じゃないからだ」 「……そうか」 「ふふふ。かまわない。素直じゃないディラも、俺は好きだから」 「グリフは、ずるい」 「そうか。すまんな。嫌になったか?」 「そういうのがずるいと言うのだ!」 ディラはグリフの逞しい首に腕を回してかじりついた 白く滑らかでしなやかな背中 グリフは汗ばむその肌を撫でながらディラの耳元で囁いた 「ディラを抱きたい。いいか?」 「……グリフが、して。どうなってもいいのだ、本当は」 「そんな風に言わないで、ディラ。俺は自分よりもディラが大切だ」 「いいのだ。どうなってしまっても、グリフが可愛いと、愛しいと言ってくれるのなら」 「ディラ……」 「恥ずかしいほど乱れても、グリフにされて、グリフに愛されるのなら……嬉しい」 「気持ちいいのは、嫌ではないか?」 「うむ……どうか、意地悪はしないで」 「しないよ。……したか?」 「焦らしただろう。私は我慢が苦手なのだ」 「んーそんなつもりはなかったのだが」 「気持ちいいのは、大丈夫だ。得意になりつつある」 「素晴らしいな」 「うむ」 グリフはディラの膝裏に腕を入れて彼を抱え上げた そしてそのままゆっくりと自分の上に降ろしていく ディラの後孔はズルズルとグリフを受け入れていく 「あ……んあっ……!」 「知ってるか?ディラの中は俺を締め付けて離さない」 「わざとではない、が、気持ちの現れ、だ」 「……そうか」 「あ・あ・あ……!」 ほんの少し性急にディラの身体を落とした 中を擦りながら進入するグリフの猛りをぎゅうと締め付けながら ディラはガクガク震えてイってしまった 先ほどの疼きが残っていたとしても あまりにもよく出来た反応にグリフは満足した 「ディラ、ほら……全部入ったぞ」 「わか、ってる……!グリフの、が、ああ!」 「約束して、ディラ」 「は……な、んだ?」 「不安や嫌な事があれば教えてくれ。痛いのも、我慢しないで」 「わ、わかった」 「して欲しい事も、教えて。なんでもするよ」 「口づけを……」 「ああ。怖がらないで……全部、愛し合った結果だ」 「グリフ、グリフ……」 何度も口づけをして グリフはディラの身体を上下に揺らす 後宮の出を見くびるなと言うディラは なるほど、確かによく励んでいたようだ 恐る恐るその幅を広げながらグリフはディラの中に自分を出し入れしたけれど それが遠慮のない振り幅になってもディラは痛がらなかった 宙を浮くように抱き上げられて動かされるディラは ただひたすらにグリフの名前を呼んで 涙を零しながら身も世もなく乱れている グリフが下から彼を突き上げるのと同時に身体を落とされる 深く深く抉られて ディラはまた髪を振り乱して達する 途切れ途切れにもっと、とねだる グリフは浮かされたようにディラを抱き続け 全部をディラの中に注ぎきった

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